子どもに正しいお金の使い方を身につけさせるには、日頃から自分で決めさせる習慣が大切です。今回は「2つの貯金箱」を使って子どもの自主性を育てる方法を解説します。(『億の近道』遠藤功二)
日本FP協会認定CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、MBA(経営学修士)。大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当したが、組織のしがらみで顧客中心のサービスが提供できず、雇われFPとして働くことに限界を感じる。しかし、収入が途絶えることの恐怖から簡単には、会社から踏み出すことができず、ストレスを貯める日々を送る。FP資格やMBAをとっても、会社にお金で縛られていたら何もできない。「お金のためだけに働くつまらない生き方を他の人たちにはさせたくない。」という志をもち、お金が原因で不幸になる人を少しでも減らすべく、教育特化のFPとして奔走中。
「2つの貯金箱」で自主性を育む
今回は「お金の教育で育める自主性」についてお話をさせていただきます。
私が推奨するお金の教育では、子ども用に「2つの貯金箱」を準備してもらいます。1つは「使うお金を入れる貯金箱」、もう1つは「貯めるお金を入れる貯金箱」です。
<「貯めるお金を入れる貯金箱」の効果>
貯める貯金箱のお金は「目標金額が達成できるまで使うことができない」というルールにします。
こうすることで、「お金が貯まるルール」を知ることができます。
散財癖のあった子でも、このルールを身に付けるとお金が貯まっていきます。
<「使うお金を入れる貯金箱」の効果>
そして実は、「使うお金を入れる貯金箱」のほうには、もっと重要な教育的要素が含まれています。
それは「自主性」です。「使うお金を入れる貯金箱」のお金の使い道を子どもに任せることで自主性を育めます。
そのお金はゲームセンターで使おうが、お菓子やジュースに使おうが自由にし、無駄遣いもOKにすることで子どもは判断力を付けていきます。
お金の使い道を任せていくと、
「ゲーセンでお金使ってもなんにもならない。何度も楽しめる漫画を買おう」
「お菓子を買いたいけど、来月遊園地で使うお金をとっておこう」
このようなことを自ら考えて学んでいきます。
このように、お金の教育には子どもの自主性を育む効果があります。子どもの自主性を育むためには、子どもに決めさせる習慣が大切です。
自由に決断させてこそ、子どもの自主性・主体性が育つ
教育について書かれた書籍『一流の育て方』には下記のような記述があります。
子どもに自由に決断させてこそ、子どもの自主性・主体性が育つというのは、本書で第一に強調したい、大切な教訓です。
出典:『一流の育て方』(著:ムーギー・キム, ミセス・パンプキン/刊:ダイヤモンド社)
もちろん、自主性を育むために子どもに任せると、失敗はつきものになります。
しかし、社会に出たら失敗こそが成功への礎となることは言うまでもありません。投資においても何度かミスを繰り返してこそ、判断力が磨かれていきます。
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