日本では20代以上のどの年代でも「おひとり様」が年々増えています。さらにコロナ禍の影響もあって、孤独を埋める商品・サービスが売上を伸ばしています。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
「孤独を埋める」商品が売れる
私が以前勤めていた会社では、1人用の家電商品を発売したところ売上が伸びました。
その時に調べたのですが、20代以上の世帯では、どの年代も「おひとり様」が年々増えています。65歳以上で1人暮らしをしている人は、日本全体で600万人と推計されています。
高齢者の孤独死が問題視されていますが、実は「独居」は高齢者だけではないのです。
これは日本に限ったことではなく、中国も「1人暮らしの若者」が急増しています。
さらに、イギリスでは「孤独担当大臣」のポストも新設されています。特にコロナ禍で行き場のない孤独感をイギリスでは社会問題と捉えています。
「孤独消費」というキーワードも多く見かけるようになりました。
この「孤独を埋める」商品やサービスが今後伸びると考えられています。例えば中国では、電話ボックスサイズの1人カラオケや、1人鍋が人気だとか。
毎月分配型の「投資信託」も孤独消費?
少し古い記事ですが、「投資信託」も孤独消費のひとつだと、ひふみ投信を運用するレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんが解説していました。
※参考:あなたの「孤独」を埋める者があなたからお金を一番抜き取る。「孤独消費」が21世紀の最大の成長産業だ(藤野 英人) – 現代ビジネス | 講談社(1/4)(2012年2月14日配信)
銀行や証券会社の営業マンが1人暮らしのお爺さんやおばあさんのご自宅に訪問してたくさん雑談をするほど、営業成績が高くなると言うのです。
その雑談の中で毎月分配型の投資信託は分配金が毎月出るので、生活の足しになるためおすすめすると売れると、記事には書かれていました。
毎月分配型の投資信託は、その分配金が毎回利益から出るわけではありません。ですから、分配金を受け取ってしまったら、元本は目減りしていってしまいます。
本来は孤独な高齢者向きの商品ではありませんが、孤独消費として売れるのです。
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