早くも習近平の「二枚舌外交」が炸裂
その習氏は25日、バイデン次期米大統領に「中米関係の健全で安定的な発展を推進するよう望む」などと関係改善を訴える祝賀メッセージを送った。
今回の大統領選後、同省報道官は祝意を示したが、習主席の正式な祝電は初めてである。習氏は「双方が衝突せず、対抗せず、相互に尊重し、協力とウィンウィンの精神」を堅持し、「互いの不一致を管理する」よう求めている。
16年11月のトランプ大統領当選時に送った文面をほぼ踏襲したが、両国関係の悪化を反映して文字数が減っている。この点は、中国のメッセージとして米国も十分に理解しているだろう。
また習氏は「中米関係の健全で安定した発展は両国国民の根本的利益にかなうだけでなく、国際社会の共通した期待だ」と主張し、「各国や国際社会と手を携え、世界の平和と発展という崇高な事業を推し進めるよう望む」としている。また王岐山国家副主席も25日、ハリス次期米副大統領に祝賀メッセージを送っている。
これらは習氏が得意とする「二枚舌外交」である。本音と建て前が見え隠れするが、実際には自国に有利な政策しかやらないことから、露骨な表面外交といえる。これに米国やインドが食いついてくれば、儲けものである。
ロシアの弱体化も鮮明に
結局、米国もBRICSも中国に取り込まれるだろう。その結果、米国からも中国からも放置されるロシアの弱体化はますます進むことになる。
プーチン大統領はこれまで何度も難局を乗り越えてきた。しかし、中国への覇権国家の移行が進むにつれて、ロシアの弱体化がより鮮明になっていくだろう。その結果、プーチン氏そのものの存在意義・価値も著しく低下する可能性がある。
プーチン帝国の終焉が近づいていると考えておくべきであろう。
本記事は『江守哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ』2020年11月27日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方は、2020年11月のバックナンバーをご購読ください。
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『江守哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ』(2020年11月27日号)より一部抜粋
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