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なぜ雇用改善「鈍化」でさらに株価上昇?米国株にバブルの様相=久保田博幸

11月米雇用統計では雇用改善に鈍化が見られたが、米国株式市場は売られるどころかむしろ買われ、ダウ平均、ナスダック、S&P500種ともに過去最高値を更新した。いったいなぜか?(『牛さん熊さんの本日の債券』久保田博幸)

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雇用改善「鈍化」でも株高

米労働省が4日に発表した11月の雇用統計は、非農業雇用者数が前月比24万5000人増と、市場予想の45万人増程度を大幅に下回った。10月の61万人増からも大幅に鈍化した。

米国内での新型コロナウイルス感染が再拡大し、雇用者の伸びは5か月連続で減速、5月以降で最小の増加幅となった。

失業率は6.7%と前月の6.9%から改善していたが、コロナ禍で発生した「雇用されているが休職中」の人の扱いが引き続きデータのゆがみとなっている可能性があるとの指摘もあった。

米国株式市場では、この雇用統計の数値は材料視されている。このため、これを受けて米国株式市場は雇用の悪化から売られてもおかしくはなかった。しかし、売られるどころか、むしろ買われ、米国株式市場の代表的な指数であるダウ平均、ナスダック、S&P500種ともに過去最高値を更新した。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

NYダウ 日足(SBI証券提供)

NASDAQ 日足(SBI証券提供)

NASDAQ 日足(SBI証券提供)

S&P500指数 日足(SBI証券提供)

S&P500指数 日足(SBI証券提供)

追加の経済対策を見越した買いが入った

どうして注目された米雇用統計が予想を下回っても、株価は上昇し、過去最高値を更新したのか。

どうやらこの雇用統計が改善していないことを確認し、これによって追加の経済対策の必要性が
増したとの見方が広がり、対策法案の早期成立期待から景気敏感株中心に幅広い銘柄に
買いが入ったようである。

Next: 景気低迷時に買われるはずの債券は逆に売られた。これはバブルか?

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