fbpx

バイデンのごり押しFRB人事で日米株価はどん底へ。インフレ解消の役に立たない人物を指名する愚=今市太郎

FRBの幹部指名で米国議会がもめにもめている。インフレ問題で大きな岐路に立つこの時期にまったく役に立つとは思えぬ人物をバイデンが指名しているのだ。バイデンは本気でインフレに対応する気があるのだろうかと疑いたくなる。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)

【関連】「ウクライナ侵攻」あってもなくても株価暴落?リークされたバイデンの切り札“4つの経済制裁“でさらなる資源高騰へ=高島康司

※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2022年2月20日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

FRB幹部指名でもめる米国議会

米国議会で次期(と言っても、もう採用開始なのですが)FRB理事の議会承認で、大もめにもめています。

ウクライナ情勢が市場に大きな影響をもたらしている裏側で、上院銀行委員会の共和党議員らは15日、バイデン大統領(というかイエレンでしょうが)が選んだFRB幹部5人の指名承認の採決の場に参加せず、定足数未達とすることで採決を阻止しています。

このため継続が決定しているパウエルでさえも、暫定議長として働いており、議会は相当荒れに荒れています。

もちろん民主党が出してくる人選だから、共和党がいちゃもんをつけてもめるという、いつもの景色ではあるわけですが、今回、承認のやり玉に上がっている2名の理事は、そもそもFRBが金融政策に本当に関係ある存在なのか?というのが大きなポイント。

ようやく各国のメディアも騒ぎ始めている状況です。

インフレ解消の役に立たない人物を指名?

イエレン財務長官は、自分がFRB議長だったときに株価の下落を恐れてまったく利上げできなかったチキンな時代をすっかり忘れたかのように、最近では「優秀なFRBのメンバーがいれば、もう2度と株価の暴落は起きない」などと、周囲が恥ずかしくなるような妄言を口にしています。

しかし、足もとのFRBは、トルコのエルドアン大統領によるトルコ中銀の介入を決して笑えないほど、バイデンにちょっかいを出されている始末。

果たして、これまでのカネの過剰なバラまきと、インフレに対する巻き戻し政策がここからまともに行われるのか。かなり危惧される状況になってきています。

長く金融の世界で生きてきた人たちは、とかく中欧銀行を過大に評価しがちで、各国ともに金融と経済の世界のスペシャリストが集っては常に最適の政策を打ち出してくれると錯覚している様子。

しかし、米国ではFRBが設立されてからのほうが、断然インフレに陥っていますし、リーマン・ショック前後にサンフランシスコ連銀の総裁だったイエレンは、サブプライム問題など取るに足らないと当時は発言したものの、その後、取り返しのつかない状況に陥ったのは記憶に新しいところです。

今回そんなFRBの人事でバイデンが指名した2名の理事が、本当にFRBの職務を果たせる存在なのか、非常に大きな問題になってきており、このままでは議会承認を得られない状況に陥りそうな気配が強まっています。

足もとのインフレの解消の問題になんら関係しない人物を平気で指名してくるバイデンも呆れますが、FRB自体がそれに何も抵抗せずに言いなりになるというのも、かなり呆れる話となりつつあります。

Next: 2名の「お呼びでない」指名を受け入れるFRBの頼り無さ

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー