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ロシア軍のキーウ総攻撃はあるか?ドゥーギンの論文から読み解くゼレンスキー政権“転覆”シナリオと終戦後の世界=高島康司

ロシア軍が首都のキーウを総攻撃する可能性はあるだろうか。ロシア保守強硬派のドゥーギンの見方をヒントにして探りたい。彼の論文によると、キーウの総攻撃とゼレンスキー政権の転覆というシナリオもあながちあり得ないものではない。総攻撃は3月中にも起こる可能性はある。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)

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ロシア軍のキーウ総攻撃の可能性はあるのか?

ドネツクのバフムトでロシア軍とウクライナ軍との熾烈な戦闘が続いているなか、ロシア軍によるキーウ総攻撃の可能性を示唆する情報が相次いでいる。

そうした可能性に言及している1人が、トランプ政権の国防長官上級顧問でNATO軍の司令官の一人でもあったダグラス・マクレガー退役大佐だ。

最近マクレガー大佐は頻繁にユーチューブのチャンネルに登場し、ウクライナの状況を詳しく解説すると同時に、キーウ総攻撃の可能性についても言及している。

ダグラス・マクレガー大佐の分析

マクレガー大佐の最近の分析を要約的にまとめた。以下である。

・現在、ウクライナの都市部の40%が破壊されている。それはウクライナ軍が都市部を拠点に展開しているため、都市全体が攻撃対象になっているからだ。

・ウクライナの交通網も遮断されている部分が多く、すでにまともに機能していない。また、ロシア軍の攻撃で通信インフラもかなり遮断されている。

・さらに、全体でどのくらいになるか分からないが、すでに数百万人の単位でウクライナ国民は国外に避難している。(※800万人程度だと見られている)

・またウクライナの農業もかなり厳しい状況にある。ロシア革命の起こる前の1915年、ウクライナの小麦は記録的な豊作であった。だが、ロシア革命に巻き込まれて小麦の生産は大きな打撃を受けた。いまのウクライナの農業も似たような状況にある。

・このような現状から見て、ウクライナは国家としてすでに崩壊している。まともに機能できていない。ウクライナが将来復興できるのかどうかは、分からない。

<国際的な傭兵部隊が運営するウクライナ軍>

・ウクライナは国家としてまともに機能できていないので、軍も国際的な傭兵部隊に依存している。彼らの出身国は、ポーランド、チェコ、ドイツ、ラトビア、リトアニア、ノルウェーなどだ。彼らを雇っているのは、CIAがこの目的で作った数々のフロント企業である。

・アメリカ人の戦闘要員はむしろ少ない。アメリカ人は、ロシア軍の動向を把握する情報収集分野、さらにハイマースのようなミサイル、戦車や大砲などウクライナが欧米からの支援で得た兵器の操作要員として活動している。

<ロシア軍の全面攻勢の停滞とキーウ総攻撃>

・ロシア軍はすでに全面攻勢を始めているが、計画したようにはうまくいっていない。停滞している。その理由は、南部の攻撃にてこずり、主要な目標である東部、ドンバスの攻略が思ったようには進んでいないからだ。

・ウクライナの地面が凍土となる1月と2月が全面攻勢を仕掛けるにはよいタイミングであった。しかし、この期間はウクライナを屈服させるのは短すぎた。確かにロシア軍は、どの前線でも攻撃を激化させている。その結果、ウクライナ兵の死傷者は膨大な数に上っている。毎日800人から1000人が死亡している。

・だが一方ウクライナには、傭兵、兵器、軍事情報など戦闘の継続に必要なものがポーランド国境から膨大な量が届いている。ウクライナ軍の死傷者をどれほど増やそうとも、この膨大な支援の波が止まらない限り、ウクライナ軍は崩壊しない。

・この状況が続く限り、ウクライナは持ちこたえロシアの勝利はない。この状況を変え、ロシアの勝利を確実なものにするためには、ロシア軍はウクライナの首都、キーウを総攻撃し、ゼレンスキー政権を崩壊させる以外に方法はない。

<ベトナム戦争に似ているバイデン政権の方針>

・ところでバイデン政権のウクライナの方針を見ていると、アメリカが大敗したベトナム戦争に酷似しているのがよく分かる。ベトナム戦争のとき、アメリカは出口戦略がない状態でベトナム戦争に突入した。いずれは北ベトナムが降伏するだろうという甘い見通しで戦争を始め、最終的にはどうすることもできななくなり、一方的に撤退した。

・もうとうバイデン政権には、ロシアと戦争をする意志はない。ウクライナを支援し、ロシアに最大限の経済制裁を課していば、いずれはロシアは弱体化するだろうという見通した。

・だがロシアは弱体化などしていない。これからも弱体化する可能性はほとんどない。だとするなら、バイデン政権はどうするのだろうか?おそらくベトナム戦争と同じように、すべてを捨ててウクライナ戦争から身を引くことになるだろう。

・もともとアメリカは、海軍を中心としたシーパワーである。地上の戦闘には弱い。地上戦に失敗すると撤退し、本国に帰還してしまうのだ。

・バイデン政権がうまくいっているのは、情報キャンペーンだけだ。ウクライナ戦争では、主要メディアを通したキャンペーンであたかもウクライナが勝利しているようなイメージを流布し、それを多くの人々が信じているが、これはバイデン政権のキャンペーンに過ぎない。事実とは異なる。

以上である。これが、最近ダグラス・マクレガー大佐が発信している情報の内容である。マクレガー大佐は、ロシア軍のキーウ攻撃は時間の問題ではないかと語っている。もしかしたら、3月にも実施されるのかもしれない。

Next: ゼレンスキー政権が崩壊したらどうなる?キーウ攻撃とロシアの計画

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