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パナマ文書と東京オリンピック贈収賄疑惑、2つのスキャンダルを結ぶ点と線

パナマ文書のリークによって一気に火がついた“現代の魔女狩り”において、善意のはずがいつの間にか残酷な蛮勇に変換されてしまった一般庶民の怒りの感情は、メガトン級の破壊力を持つようになっています。

5月12日にはロンドンで「腐敗対策サミット」が開かれました。このサミットを機に、特に関心が高まっているのは、2020年の東京オリンピック関連施設の建設を巡る贈収賄の問題です。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※不許複製・禁無断転載(本記事の著作権はメルマガ著者および当サイトに帰属します。第三者サイト等への違法な転載は固くお断り致します)

突然、勢いを増した腐敗撲滅キャンペーン~東京五輪が危ない!

「腐敗対策サミット2016」

5月12日の木曜日、ロンドンのランカスター・ハウス(Lancaster House)で、「腐敗対策サミット2016(Anti-Corruption Summit)」が開かれました。

いよいよ、世界支配層がタックスヘイブン狩りに乗り出したのです。しかし、タックスヘイブンに隠されている莫大な黒い金の存在など、数十年前から世界周知のことです。

いくら“計画的にリーク”されたパナマ文書によって、「この世界が収賄と汚職にまみれた想像以上に薄汚い世界であることが分かった」からといって、この突然、勢いを増した世界規模の腐敗撲滅キャンペーンは、いったいどうしたことでしょう。

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バッキンガム宮殿でキャメロンが女王陛下に言ったこと

実は、このサミットの2日前、バッキンガム宮殿で「あるレセプション」が行われました。

ジャパン・タイムズ(5月11日付)によれば、表向きは、先月4月21日に90回目の誕生日を迎えた英国女王・エリザベス2世を祝賀する会を装いながら、実は、エリザベス女王は、翌々日に控えていた「腐敗対策サミット 2016」について、英国王室の非嫡子の家系であるデーヴィッド・キャメロン首相に何かを示唆したようだ、と伝えています。

英国のデジタル高級紙・インディペンデントは、「エリザベス女王の他、カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビー、そしてジョン・バーコー(John Bercow)英国下院議長とともに、ちょっとした議論をしている場面がカメラに捉えられた」と報じています。

デイリー・メイルには、その時の模様を写した画像がたくさんあります。

この立ち話で、キャメロン首相は、“とてつもなく腐敗しきった2つの国”を翌々日の腐敗対策サミットに呼んだことを女王陛下に報告しながら、「ナイジェリアとアフガニスタン、この2つの国は、おそらく世界でもっとも腐敗している国でしょう」と述べたのです。

しかし同時にこのサミットでは、“世界でもっとも腐敗した2つの国”とされたうちの1つ、ナイジェリアの大統領、ムハンマド・ブハリ(Muhammadu Buhari)による基調演説が予定に組み込まれていたのです。

あらかじめ入念に練られたパナマ文書リークの計画

腐敗が横行している国の大統領、ムハンマド・ブハリに演説させることによって、メディア報道にコントラストをつけさせ、いっそう腐敗撲滅キャンペーンにはずみをつけさせようという狙いがあったのでしょう。

つまり、パナマ文書のリークは、租税回避を含めた世界的な腐敗撲滅運動に発展・拡大させるための起爆剤として、あらかじめ入念に練られた計画の一部であるということなのです。

このちょっとした立ち話の映像から読み取れるのは、パナマ文書のリークを発端とする腐敗対策キャンペーンが、英国王室とローマ・カトリックのお墨付きを得たもので、むしろ、彼らがその中心人物であるということです。

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