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企業訪問で確信したテノックス<1905>の成長ポテンシャル~情熱投資家・相川伸夫が語る注目銘柄

建設基礎工事大手のテノックス<1905>に注目します。もともと割安・高配当として評価が高い銘柄ですが、私は企業訪問をきっかけに「割安だけでなく、成長銘柄に変わりうるポテンシャルを持っている」と考えるに至りました。(『億の近道』相川伸夫)

プロフィール:相川伸夫(あいかわ のぶお)
現役の「サラリーマン」兼「投資家」。自ら「情熱投資家」を名乗る。大手技術系企業に勤務する傍ら、積極的に企業にアプローチして内容を吟味したうえで投資をすることを旨としており、その行動力と分析力はプロも舌を巻く。

割安から成長へ。テノックスの収益構造に「大化け」の可能性を見た

バリュー銘柄として高評価のテノックス<1905>

今回の注目銘柄として、建設基礎工事の専門会社大手のテノックス<1905>[JQ] を挙げさせて頂きます。テノックスは割安株であり、高配当利回りのバリュー株として評価が高いです。

今回、企業訪問をさせて頂いて、「割安なだけではなく、成長銘柄に変わるんだ」という確信を得ることができました。今回は、このテノックスが秘めている「成長性のポテンシャル」について語りたいと思います。

建物には、基礎工事が必要不可欠です。一軒家であれマンションであれ、地面の上にいきなり建てることはしません。建造物を長年その場所に安定させるため、杭を使って固い地盤に固定させるのが一般的だと思います。

しかし、固い地盤までが遠かったら? 埋立地などの比較的に柔らかい土地に建物を建築したかったら? そんなときに必要な工事が「地盤改良工事」と呼ばれるものになります。

テノックスは、基礎工事及び地盤改良にかけて業界トップレベルの企業です。また、技術開発とその技術の普及に対する強い情熱も、間違いなくトップレベルの企業でしょう。

同社における工法は多種多様のニーズがありますが、皆さんにぜひ知って欲しくて熱く語らせていただくのは、戸建て向けの「ピュアパイル工法」です。この工法は、これからの成長の源泉になるでしょう。同社はそれ以外にも、「テノコラム工法」をはじめ様々な技術を有する、優れた会社だと思います。

「ピュアパイル工法」を開発したテノックス驚異の技術力

テノックスは、ここ最近で目覚ましい速度で受注を獲得している戸建て向けの地盤補強「ピュアパイル工法」という技術を開発しています。毎年前年度比30%以上の受注獲得増を記録している、右肩上がりの工法となっています。

皆さんは、地盤改良というものについてどのくらいご存じでしょうか? 地盤改良とは「軟弱地盤を建築物に耐えれる強度に補強すること」です。

各社が公表している調査データによると、約4割の日本の住宅には地盤改良が必要とのこと。建築着工統計調査報告(国土交通省総合政策局建設経済統計調査室平成28年4月28日公表資料)によると、日本での年間戸建て件数は約65.8万戸。この4割にあたる26.3万戸には地盤改良が必要ということになります。

地盤改良には様々な工法があり、ハウスメーカーや工務店などの業者によって謳い文句も大変バラエティーに富んだものがあります。

この中でも最も普及しているのは、テノックスの開発した「柱状改良工法」です。これは地盤の土とセメントを混ぜ、地中に合成杭を造成する工法になります。この技術は今からおよそ30年前に考案・特許を取得し、基礎工事と地盤改良の両方で大活躍したのです。そして数年前にこの特許の権利は消滅し、今では大多数の業者のスタンダード工法になっているまでに普及しています。

特許切れは企業にとって大変痛手です。しかし、技術開発にかけての情熱の高いテノックスは、柱状改良工法を凌ぐ「ピュアパイル工法」の技術開発に成功し、特許の取得にも成功しました。

新技術「ピュアパイル工法」は、地中に釘のような掘削ロッドを差し込み、その先端からセメントミルクと呼ばれる液体を出しながらロッドを抜くことで地中に土とほとんど混じり気の無いセメント杭(ピュアパイル)を造成する工法です。例えるなら、地中にアイスキャンデーを作るようなイメージを持っていただくといいかもしれません。

そして、これまでの混ぜ合わせる「地盤改良」と区別する意味で、「地盤補強」と謳っているのです。

Next: ピュアパイル工法の何がすごいか?/成長銘柄としての資質十分

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