fbpx

4℃を贈る男はかっこ悪くない。プレゼント晒し大炎上、地雷女子の本性を暴く「4℃テスト」流行の兆しも

近年、クリスマスの時季になると毎年のように取沙汰される「いい大人がプレゼントに“4℃”はいかがなものか」論争だが、今年もまた同様にネットを騒がせているようだ。

今回の論争の発端となったのは、30代独身会社員女性と自称するアカウントによる投稿。22日午後の投稿ということで、厳密にいえばクリスマスプレゼントではないのかもしれないが、外箱には「Canal 4℃」とのロゴがあり、箱を開けると「星に願いを」のオルゴールが流れたとのこと。ちなみに本人によるその後のツイートによると、もらった相手は彼氏でも何でもなく、飲みに誘われたら行くぐらいの友人らしい。

上記のツイートには、24日午後の時点で16000件を超えるリツイートにくわえ、引用ツイートも1万件に迫るなど、大いに話題となる結果に。その反応は実に様々で枚挙に暇がないが、やはり目に付くのは、プレゼントの内容はともかくとして「だからといって、それを晒すのはいかがなものか?」といった意見だ。

さらに、このように“晒す”ツイートをきっかけに噴出する女性叩き、さらに「私は本当に好きな人から4℃を貰って嬉しかったけど」といったマウント女の登場といった、毎度毎度の展開に対して、さすがに辟易するという声も多く見られた。

低年齢向けイメージが意図せず定着した4℃

このように、クリスマスシーズンごとに謂れのない誹謗中傷の渦に巻き込まれる形となり、なんだか可哀そうにも思えてくる4℃。ただ実際のところ、長らく低迷が続くジュエリー業界になかにあって、4℃ブランドなどを擁する国内企業であるヨンドシーホールディングス(HD)は“最後の勝ち組”とも呼ばれることもあるなど、経営のほうは比較的安定している模様。これも“有名税”の一種だとして割り切るしかないといったところか。

ただ、そんなヨンドシーHDも新型コロナ感染拡大の影響はモロに受けたようだ。一時は直営店などの臨時休業も余儀なくされたこともあって、10月に発表された3~8月期の連結決算では純利益が59%減に。特に、挙式を延期するカップルが増えたことで、婚約指輪や結婚指輪といった高単価な商品の販売が落ち込んだという。ただ巣ごもり需要により、アパレルのほうは予測以上に好調だったらしい。

いっぽうで、今回の論争の契機となったツイートにも登場した「Canal 4℃」なるブランド。これは4℃の姉妹ブランドで、近年はロゴ刷新や商品構成の見直しを行うなど、4℃との棲み分けを図っているという。具体的には、4℃が従来までのプレゼントや婚約・結婚の記念としての需要を担う反面で、Canal 4℃は主に働く女性が自分のために手軽に買うといった需要を狙うことで、幅広い世代や需要を取り込みたいという狙いのようだ。

ただ購買層の拡大ということで、簡単に手に入るラインを増やしたことが、4℃全体のブランドイメージの低下、具体的には“大学生向け感”といった今回の論争でも取沙汰されるような低年齢向けイメージを、さらに定着させてしまった一因となっているという指摘も。今後もイメージ戦略の面では、かなり難しい舵取りが求められそうである。

今後は「4℃テスト」が流行する?

このようなブランドの経緯を鑑みても、女性へのプレゼントとしてCanal 4℃をチョイスしたことに関して、「悪手だったのでは」との批判もかなり多い今回の件。だた、そんなプレゼント側の男性にも、もちろん同情の声はある。

まずは、プレゼントした男性が女性側と同様に30代であるとの仮定したうえで、「失われた20年で培った男性側の金銭感覚に配慮すべき」といった声。なかには、下手に高価な海外ブランドのジュエリーを買ってくるよりも、4℃を買ってくる男のほうが、その金銭感覚としては安心できるのではといった意見もあった。

それと関連した男性側の視点として、今後は4℃をプレゼントとして贈ることで、相手女性が真っ当な金銭感覚かどうかを判別する、いわゆる「4℃テスト」が流行るのではといった意見も。確かに、プレゼントを相手にバカにされた際に「実はテストだったんだよ」という切り札があれば、男性の精神衛生はかなり保たれそうである。ただ女性からは「試してんのかよ」と、大いに反感を買うことは必至だろう。

また経済的な視点から見ると、「クリスマスに4℃を贈る男」はしっかりと経済を回している、いわば好ましき存在であるという見方もある。

要するにこういう男性は、恋愛上におけるこの手のシーンにおいてこれまでも、また今後においても失敗をし続ける可能性が高く、その度にソコソコなお値段のジュエリーを買うとなれば、それは確かに立派な経済活動であり、しかも4℃は国内ブランドだから内需も拡大! ……というワケだ。ちなみに「もらった4℃をメルカリに出品して、それを安価で買う人がいれば、経済も回ってみんなハッピー!」といった趣旨の意見も散見されるが、それは4℃サイドにとって“機会損失”以外の何物でもなさそうだ。

そのいっぽうで、今回のような“プレゼント晒し”が今後も横行していくことで、大いに懸念されるのが、いわゆる「プレゼント離れ」である。

本来はあくまで“個と個”のやり取りでしかなかったプレゼントという行為だが、ここ十数年のSNS等の普及で、下手を打つと不特定多数に晒されるかもしれないというリスクが発生。これによってプレゼントをするという行為に萎縮を招き、それが“億劫”“面倒”といった意識を生み、その結果としてプレゼント文化そのものが衰退するのでは、といった見解なのだが、そうなると問題は4℃だけに限ったものでは無くなって来そうだ。

今年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大もあって、いつものクリスマスのムードとは程遠い雰囲気。しかし、たとえ世界が正常を取り戻したとしても、クリスマス商戦の賑わいはもう戻って来ない……。昨今の“プレゼント晒し”には、そのような危険性がもしかすると孕んでいるのかもしれない。

Next: 「この時期になると胸が苦しくなる」

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー