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なぜ日本の富裕層はスイスのプライベートバンクを好む?プロ任せの利点と落とし穴=花輪陽子

レバレッジはかけない。スイス「プライベートバンク」の流儀とは

また、創業家などが無限責任のパートナーシップで事業を継続している場合もあります。

例えば、スイスのボルディエバンクのシンガポールのオフィスにはファミリーツリーがあって、創業者の子息が事業継承をして引き継ぎ続けています。

最後にポートフォリオが保守的です。スイスのプライベートバンクの中にはレバレッジをかけたポートフォリオを嫌う銀行も多いです。

もちろん現在のような低金利の環境下ではお客様の希望によりレバレッジをかけて配当をふくらませる場合もあります。

しかし、顧客の資金が少ないのに無理をさせて資金を拡大させるという案内はしません。不必要にリスクを取ってまでリターンを追求する必要はないと考えるからです。

レバレッジをかけると、市場がクラッシュした際にマージンコールがかかり、期日前に追加で担保を差し入れないと強制決済がかかるリスクもあります。

スイススタイルは、一般にレバレッジをかけずにインカムとキャピタルのバランスを追求します。

顧客の希望によって配当や利息で生活をしたいという場合は配当が多い世界のテレコム系の株を選択したり、債券で固定利息を追求するなども考えられます。

富裕層たちはどう活用している?

日本の証券会社を利用する場合、毎月分配型投資信託をおすすめされる場合も多いようです。

しかし数年で顧客の資産の時価が3/4などに目減りしているケースも見たことがあります。元本を削って利息を出しているファンドも多いからです。

シンガポールのプライベートバンクの場合、15年程度運用している人で元本は少し増えた状況で、レバレッジをかけて配当が10%以上出続けているという人もいます。

例えば、2億円の資金が少し増えて、配当は2,000万円程度を継続して出し続けているなどです。運用だけで生活をしているという富裕層もたくさんいます。

スイスだともう少し保守的にレバレッジをかけずに7~8%を目指すスタイルです。顧客の希望によってはレバレッジをかけることも可能です。

Next: プロに運用を任せるときにハマる落とし穴とは?

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