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中国に住宅バブル崩壊の兆候。日本の二の舞「失われた30年」で習近平体制は終わる=勝又壽良

日本のバブル崩壊が教科書

国際機関が、2020年代に米中のGDPが逆転するという予測は、上記のような米中それぞれの経済事情を検討すると、撤回せざるを得ない状況であることが分かる。

これまでの中国経済は、不動産バブルによって実力(潜在的成長力)以上の成長を遂げてきた。これからは、その竹馬(不動産バブル)部分が切り捨てられる。それどころか、過去の不良債権の処理と住宅バブルがもたらした家計債務増加の重圧に泣かされる局面である。

これだけではない。中国には、出生率急減による生産年齢人口(15~59歳)が急速な低下局面に入る。

日本経済は、1990年に株価と不動産の両バブルが崩壊した。その後は、バブルの後遺症と生産年齢人口の減少に悩まされ、「失われた20年」と揶揄されてきた。

中国にも、これとまったく同じ状況が始まると見るべきであろう。中国のバブル後遺症だけが、軽く済むという便法は存在しないからだ。

当時の日本は、米国との経済摩擦が加わって、急激な円高に悩まされた。これによって、半導体という「ドル箱」を失い、韓国にその席を譲らざるを得なくなった。

中国は、それよりも厳しい「体制間競争」が重圧となる。こう見ると、中国の対米関係の圧力は、当時の日本よりもはるかに厳しいものになろう。中国は、「国運」を賭けた競争を強いられるのだ。中国が、安閑としていられる状況でないことは言うまでもない。

「全人代」開催期間に見られた異変

中国は、先の全人代中に株価急落という異変に見舞われた。従来の全人代は一種の「お祭り」気分で、先行きの楽観論が横溢していた。今回の全人代は、次のように様相が異なった。

1)2021年の経済成長率目標は、「6%以上」と事前予想を2ポイントも下回った
2)第14次5カ年計画(2021~25年)の目標経済成長率の発表すらなかった

前記2つの点が、何を物語るのか。中国経済が、過去にない事態に直面していることを示唆している。中国の株価が、急落したのは当然だ。その急落ぶりは、次に示す通りである。

<上海総合指数>

直近高値(21年2月18日) 3,731.63
直近安値(21年3月9日)  3,328.31(下落率10.81%)

中国投資家の間では、次のような動きが顕著である。株式市場のバブルや当局による引き締め策への懸念から、ハイテク、消費財など「成長株」が売却され、銀行などこれまで目立たなかった「割安株」へ投資する動きが広がっている、というのだ。

高値株を売って利益を確定し、安値株を買うという投資家の防御姿勢が見られる。中国投資家が、中国経済の先行きに警戒姿勢を見せているのだ。これには理由がある。

中国政府は、景気刺激策が資産バブルをあおるのではないかという懸念である。

中国が、2008年の金融危機後と2015年および2016年に実施した大規模な景気刺激策は、巨額の累積債務を招き不動産バブルを引き起した。現在も、その処理に手間取っているところだ。

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