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50代「貯金ゼロ」は12%。悲痛な相談を受けるFPが見た老後貧困に落ちる人の特徴=川畑明美

「50代になったが、老後資金が足りない…」という相談が増えています。老後を目前に控え、貯金ゼロという方もけっこういます。その方たちにはどんな傾向があるのでしょうか?相談を受けてきたファイナンシャルプランナーの立場から考えます。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

貯蓄ゼロの50代世帯でも老後資金は準備できる

「50代になったが、老後資金が足りない」…そういうご相談はとても多いです。

50代は、ずっと先だと思っていた老後が視野に入ってくる年代です。目先の教育費の支払いで、気付けば「貯金ゼロ円」というご家庭も多いです。

金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)を見てみましょう。

年齢・年収別の貯蓄額を見ると、年収は500万円~750万円未満の方が最も多く、「金融資産を持っていない」と回答している方は12%です。

平均貯蓄額は1,265万円ですが、最も人数の多い貯蓄額(中央地)は700万円となっています。

すべての年収で最も多い貯蓄額は、年収と同等の貯蓄額になっています。年収と同じくらいの貯蓄があれば、50代からでも老後資金を準備するのに十分な時間があると言えます。
※参考:設問間クロス集計(令和2年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)- 知るぽると

貯蓄ゼロの人は勉強にお金をかけない?

ただファイナンシャルプランナーである私の現場感覚では、少し違います。

私の教材やサービスを受けてくださる方は、年収と同等以上の貯蓄額がある方が多いです。一方、教材やサービスは購入せずに、無料で相談される方には圧倒的に貯金ゼロの方が多いです。

そして、金融リテラシーが低いのも特徴です。少なくとも、全体の20%くらいは貯金ゼロの方がいるのだと感じます。

手取り収入は減り、貯金の利息も付かなくなっている

その原因はもちろんあります。

15年ほど前と比較すると「手取り収入」が減少しているからです。以前は、ボーナスから引かれる社会保険料は少なかったのです。また、子どもの扶養控除もありましたが、現在は廃止されています。

年収700万円の方は、15年前と比較すると50万円ほど手取り額が減っているのです。

さらにゼロ金利で、貯金の利息がほとんどなくなってしまいました。

Next: 教育費「倍増」が追い打ち。貧困から抜け出すにはお金の知識が必須

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