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菅首相の初訪米は「決断せず笑顔ふりまき帰国する」が正解。米中対立激化で中立国家化に日本の活路=江守哲

中国を逆なでするバイデン政権

このような状況の中で、中国の怒りを買うような行動に出ているのが米国サイドである。

台湾と外交関係を結ぶパラオのウィップス大統領が、ヘネシーナイランド駐パラオ米大使がサプライズで同行したうえで訪台した。外交関係国を次々に奪うなど対台湾包囲網を強める中国に対抗するため、台湾の外交活動を支援していくバイデン政権の意思を鮮明にしたといえる。

現役の米大使が台湾を訪問するのは、1979年の米台断交以来で初めてという。メディアは大使を「陰の主役」として、滞在中の動向を詳細に報じている。これはある意味では、歴史的な出来事である。

これに対し、中国外務省の趙立堅副報道局長は当然怒りを爆発させている。「いかなる形の米台の公的往来にも断固として反対する」とし、中国の戦闘機など延べ10機が同じ日に台湾の防空識別圏に相次いで侵入している。米台接近に対する警告とみられるが。いつものパターンではある。まだ一色触発には遠いが、徐々に問題になっていくだろう。

ウィップス氏は滞在中に、蔡英文総統や蘇貞昌・行政院長(首相)のほか、米国在台協会(AIT)台北事務所のブレント・クリステンセン所長(大使に相当)と面会したという。米台とパラオはほぼ同じ内容の報道文を個別に発表し、「民主的な自由で開かれたインド太平洋地域を共に推進していく」方針を確認したとしている。

これにより、米国は台湾の外交関係を守り、中国に対抗していく姿勢を前面に押し出した格好である。台湾と外交関係を結ぶ国は、パラオを含め15カ国に減っている。米国はトランプ政権下の昨年、台湾の国際活動を支援するための法律を成立させており、今後も台湾と外交関係国に米国を加えた「三位一体」の動きが増える見通しである。

大好きな日本を牽制?反撃に出る中国

このような動きに、中国も黙ってはいないだろう。

3月30日に開かれた日本とインドネシア両政府による外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)後、日本政府が「東・南シナ海情勢について、力による一方的な現状変更の試みに深刻な懸念を共有した」と発表した。これについて、中国外務省の華春瑩報道局長は、「最近の日本側の中国に対する否定的な動きに深刻な懸念を表明する」としている。

さらに「陰口を言って問題を起こすことやデマを流して中傷することをやめるように日本に要求する」とし、日本に警告を発している。中国は、日本が米国と連携して対中圧力を強化することを警戒しているのである。中国国防省によると、3月29日に行われた日中両国による防衛当局の会合でも、中国側は「最近の日本側の動きに強烈な不満と深刻な懸念」を伝えた上で「中傷」をやめるように求めている。

中国は日本が大好きである。これまでも、様々な面で日本に助けてもらっている。習近平国家主席はそのことを重視している。中国にとっては、「困ったときの日本」なのである。

しかし、菅政権が煮え切らない態度であり、それを懸念している。その点は、安倍前首相は上手くやっていたといえる。菅首相には荷が重いだろう。

Next: 選択を迫られる韓国。日本もまったく同じ立場にある

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