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アウトソシング Research Memo(1):20年12月期は新たな事業スキームの展開や大型M&Aの実現で大きな成果

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■要約

アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」や、メーカーの研究開発部門及びIT、土木建築系企業向けに技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍施設向け事業や海外展開にも積極的に取り組んでいる。M&Aを始め、独自スキームの構築による人材獲得に優位性を有しており、海外を含めた人材提供数及び管理人数は10万名を超える(技術・製造系では国内業界最大)。景気変動の影響を受けない事業構造への変革や今後の環境変化等を見据え、拡大するエンジニアニーズへの対応や公共関連サービスの強化、米軍施設向け事業の拡充など、グローバル規模で事業を拡大してきた。今後は、環境変化に合わせ、ビジネスモデルの抜本的な変革及び新たなビジネス機会の獲得にも取り組む方針である。

2021年2月15日には国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、「SDGs宣言」を行った。世界の様々な人々の「就業機会」と「教育機会」の創造、さらには技術と教育の力で一人一人の生産性を向上させることで、人々の暮らしを豊かにすることに貢献し、同社グループの成長にもつなげていく考えである。

2020年12月期の業績(IFRS)は、売上収益が前期比1.5%増の366,711百万円、営業利益が同6.5%減の14,337百万円とコロナ禍の影響により減益となったものの、第3四半期以降に急回復し、修正予想(2020年5月14日公表)を大きく上回る着地となった。売上収益は、需要が安定している「国内技術系」及び「国内サービス系」が伸長した一方、「国内製造系」及び海外事業がコロナ禍の影響を受けて低迷したことから、売上収益全体では微増収にとどまり、利益面でも減益となった。ただ、足元業績はすでにコロナ禍前の計画を上回る水準に戻っている。また、活動面においても、コロナ禍に伴う環境変化が進むなかで、新たな事業スキームである「派遣2.0」や「CSM」を活用したニューノーマルにおける提案力の強化や、業界淘汰を取り込むためのM&A、グローバルでの人材流動化を推進するための大型M&Aなどで大きな成果が残すことができた。

2021年12月期の業績予想(IFRS)について同社は、売上収益を前期比44.0%増の528,000百万円、営業利益を同75.1%増の25,100百万円と大幅な増収増益の実現により、2年目を迎えた中期経営計画における計画値を上回る水準を見込んでいる。売上収益はすべての事業が伸長する見通しである。特に、「海外技術系」の伸びが著しく、利益面でも、増収に伴う収益の底上げにより大幅な増益になり、営業利益率はコロナ禍前を上回る水準を見込んでいる。

同社は、2020年12月期より5ヶ年の中期経営計画「VISION2024」をスタートした。世界各国で急速に進行する環境変化への迅速な対応を図るとともに、新たに発生したビジネス機会を同社成長に取り込む戦略となっている。特に、1)海外就労者サポートサービスの拡大、2)エンジニアとテクノロジーを融合した「派遣2.0」モデルの推進、3)米軍施設向け及び政府公共系ビジネスの更なる拡大、4)グローバル人材流動化ネットワークの確立、5)WBBプラットフォームの構築により、ビジネスモデルの更なる進化や抜本的な変革にも取り組み、最終年度となる2024年12月期の売上収益8,200億円(5年間の平均成長率17.8%)、営業利益650億円(同33.6%)を目指している。なお、2020年12月期については、計画策定時には想定していなかったコロナ禍の影響を受けたものの、業績の落ち込みは一過性のものとしてカバーできる範囲であることや、構造的な変化(ニューノーマルの到来)に対しても同社の戦略を後押しするものと捉えていることから、2021年12月期以降の計数目標に見直しはない。

■Key Points
・2020年12月期はコロナ禍の影響を一部受け減益となったものの、第3四半期以降に急回復
・ニューノーマルを捉えた新たな事業スキームの提案や、グローバルな人材流動化を推進する大型M&Aの実現でも大きな成果を残す
・2021年12月期は大幅な増収増益の実現により、2年目を迎える中期経営計画における計画値を上回る水準を見込む
・5ヶ年の中期経営計画「VISION2024」を推進。環境変化を踏まえ、ビジネスモデルの抜本的な変革に取り組む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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