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中国にとってコロナは過去。終息後に定着した5つの新トレンドが日本を飲み込む=牧野武文

中国では、2020年5月頃にはほぼコロナ終息と言っていい状態になり、それから1年が経ちました。中国の方に聞いてみると、多くの人が新型コロナの記憶は薄れていると言います。今回は中国でコロナ終息後に定着した5つのトレンドを紹介します。日本の未来の姿であり、今後のビジネスの参考になるはずです。(『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』牧野武文)

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※本記事は有料メルマガ『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』2021年5月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:牧野武文(まきの たけふみ)
ITジャーナリスト、フリーライター。著書に『Googleの正体』『論語なう』『任天堂ノスタルジー横井軍平とその時代』など。中国のIT事情を解説するブログ「中華IT最新事情」の発行人を務める。

新型コロナの記憶が薄れつつある?中国の現在

今回は、コロナ後の中国テックビジネスのトピックをご紹介します。

中国では、武漢市封鎖という厳しい処置をとったこともあり、2020年の5月頃にはほぼ終息と言っていい状態になり、それから1年が経ちました。中国の方に聞いてみると、多くの人が新型コロナの記憶は薄れていると言います。

商店に入る時と、公共交通機関を利用する時は、未だにマスク着用が義務付けられている都市が多いですが、外を歩く時のマスク着用は義務付けられていません。ただ、商店に入ったり出たりする時に、マスクをつけたり外したりするのも面倒なので、道を歩く時もマスクをしたままの人が多かったのです。

しかし、5月になって、暑くなってくると、さすがにマスクは息苦しく、あごかけ状態にしている人、外してしまってポケットやバッグにしまう人なども増えてきているとのことです。

コロナ終息後に定着した新しいトレンド

この1年で、中国の消費スタイルは大きく変わりました。トレンドは「対面から非接触へ」です。スーパーに行くのではなく、生鮮ECで食料品を配達してもらう。会社に出勤するのではなく、在宅でリモートワークするなどです。

重要なのは、このようなことが広がったのは、コロナ禍による緊急避難でしたが、終息から1年経ってもまだ行われているということです。

つまり、コロナ対策だけでなく、別のメリットを感じ取り、新しい日常を作りつつあるということです。その新しい日常というのは、以前と比べれば感染症に対しても強くなっています。

日本も早くコロナが終息してほしいですが、終息したからといって、以前とまったく同じ日常に戻すことはできません。別の感染症が流行した時に、また同じ痛みを繰り返すことになるからです。多くの人がつらい思いをしたのですから、これを教訓として、感染症に強い新しい日常を作っていく必要があります。

それを考える時に、中国の状況は先行事例として参考になる部分があります。そこで、今回はコロナ終息後にも定着をした新しいトレンドについてご紹介します。

コロナ終息後にも定着した5つのトレンド

5月の連休前から、この1年を回顧する記事が中国メディアで目につくようになりました。コロナ以降のテックビジネスがどのようなトレンドにになるかを考えたい人が多いのです。

2019年末から武漢市で新型コロナが流行し、2020年1月末の春節休みには他都市に飛び火をし、いわゆるロックダウンまたはそれに近い状態が続きました。しかし、5月にはほぼ終息が見え、2020年の5月の連休は、再び人々が動き始めるようになりました。それから1年、コロナ後の新しい変化の中で、元に戻るものは戻り、定着するものは定着するという状況となり、コロナ後のビジネスがどのようになるのかがちょうど見えてきました。

このような記事は、この1年を回顧するのが目的というよりも、今後、コロナ後のビジネスがどのようになっていくかを考えるという視点で作られています。

例えば、もはや伝統的な飲食店というのはほぼ継続が難しくなりました。テーブルを並べ、来店客だけに頼った飲食店は、もはや存在をしないか、今後成長する可能性はほぼありません。個人飲食店ですら、フードデリバリーに対応をし、スーパーやECと提携して、半調理品やお惣菜を販売するようになっています。あるいは、独自にライブコマースを行い、販売している飲食店もあります。つまり、飲食店は新小売化(オンライン販売とオフライン販売を融合する)が大きく進みました。

当メルマガのバックナンバー「vol.030:コロナ終息後、中国経済に起きている5つの変化」では、5つの変化をご紹介しました。

その5つとは、次のようなものです。

1)デジタル化
2)海外依存からの脱却
3)企業競争の激化
4)消費者の成熟
5)テック企業の社会的役割の増大

これは2020年7月という、コロナ禍がほぼ終わり、中国の経済活動が本格的に再開をした時点での話でした。また、この5つの変化は、コロナ禍によって起きたものではなく、以前から中国社会の中で起きていた変化が、コロナ禍によって加速をしたというものです。先ほどの飲食店の新小売化などがその最たるものです。新小売化は2017年ごろから進み始めましたが、コロナ禍によってその流れが決定的となり、もはや店舗営業のみには戻れないクサビが打ち込まれました。

今回は、このような大きなトレンドではなく、もう少し粒度の小さい、具体的なトピックをご紹介したいと思います。具体的には、次の5つをご紹介します。

1)ライブコマースの定着
2)社区団購の競争激化
3)リモートワーク、リモート教育の定着
4)盲盒ブームの加速
5)アラサー女性ブーム

日本でのテックビジネスに直接影響があるものもあれば、文化や背景の違いから縁遠いものもあります。しかし、その要素や考え方は参考になるところが多いと思います。

今回は、コロナ後の5つのトレンドについて、くわしくご紹介します。

Next: 日本での定着は難しい?中国で勢いを増す「ライブコマース」

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