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米・中露戦争に新局面。中国の自滅、インドの豹変で軍事衝突リスクは臨界点へ=江守哲

米中戦争の行方はインド次第か

さて、最後に話を中国に戻しておこう。中国外務省の趙立堅副報道局長は、さきのG7サミットで対中包囲網形成を進めたバイデン米政権を「米国は病気だ。病は軽くない」と異例の表現で非難している。そのうえで「G7は米国の脈をとり、処方箋を書いてあげたらいい」ともしている。この表現はひどい。それだけ、中国が焦っているといえる。

また、趙氏は新疆ウイグル自治区や香港の人権問題、「台湾海峡の平和と安定の重要性」などを指摘したG7首脳宣言について、「内政干渉」と反発し、「強烈な不満と断固とした反対」を表明した。それだけ、痛い腹を探られたということである。

さらに「一国や一つの国家集団が天下に号令をかける時代は既に過ぎ去った」と主張している。しかし、中国がやっていることは、まさにそのようなことである。そこには大いなる矛盾が存在している。 大国の論理とは所詮そのようなものである。

中国は、バイデン大統領が参加したNATO首脳会議も、「中国を国際秩序への挑戦」と位置付け、批判している。趙氏はNATOを「小さなサークル」とし、「陣営間でどちらを選ぶか他国に強要するのは、平和的発展・協力という歴史の潮流に背く」と批判している。

しかし、中国ほど他人のことを揶揄する人種はいないだろう。まさに「自己中心的」なのである。

中国とロシア。西側諸国からすれば、とても受け入れがたい態度をとっている。彼らから見れば、米国の態度こそ、許されないということになるのだろう。

米国と中国・ロシアの戦いはまだまだ終わらない。しかし、新たな大国であるインドが徐々に成長のペースを速めていくだろう。いまは仲間であるインドの豹変リスクもある。インドは中国やロシアと違うとはいえ、その可能性は低いとは言い切れない。

2021年以降の世界情勢は、我々が考えている以上に複雑化し、さらに混とんとするだろう。そのような情勢の中から、今後の情勢の方向性を見出していくためのヒントを探っていくしかない。中国が力をつけると考えていたが、実際にはそうではないようである。

いままでおとなしくしていたインドが、今後どのような態度を示していくのか、大いに注目している。

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  • 「米国対中露の構図とインドの存在」(6/25)
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本記事は『江守哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ』2021年6月25日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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2021年5月配信分
  • 「米中戦争が日本・台湾も巻き込んで再燃へ」(5/28)
  • 「先進国の対中包囲網は機能せず」(5/14)

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  • 「米国の威信が問われる情勢」(4/23)
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  • 「バイデン政権の外交は最悪の船出」(3/26)
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image by:Naresh777 | plavevski | lev radin / Shutterstock.com
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江守哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ』(2021年6月25日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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