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カジノ誘致で再び波乱「横浜市長選」が握る菅政権の命運。秋の衆院選を占う試金石に=原彰宏

野党の候補者選び

野党の横浜市長選挙の陣頭指揮を取っているのは江田憲司立憲民主党代表代行で、早々と「ハマのドン」に接近していきました。江田憲司氏は神奈川8区選出の議員です。横浜市郊外、閑静な住宅地が並ぶ地区です。「ハマのドン」なくして選挙は勝てない……どうやら、このような不文律があるようです。

8月8日告示、22日投開票の横浜市長選挙に、立憲民主党が推薦する元横浜市立大学・山中竹春氏を全面支援すると、「ハマのドン」藤木幸夫氏は表明しました。報道では、江田憲司氏と山中竹春氏に挟まれてマイクを握る藤木幸夫氏の写真が載っています。

自民党が、林文子氏再選から、藤木幸夫氏の長年の盟友だった小此木彦三郎氏の息子を、わざわざ現職官僚を辞めさせてまでも横浜市長選挙に担ぎ出したのも、頷けますね。

菅総理と小此木国家公安委員長は、ともに小此木彦三郎氏の秘書をしていた同僚です。秘書仲間とは言いながらも、かたや地方か出てきた書生、かたや親の七光りを受けているご子息です。菅総理と小此木氏の関係がどうであったかは、周りからは知る由もないことです。

藤木氏は、菅総理を「おさんどん」と表現していました。「昼飯を持ってくるのが菅だった。秘書じゃないんだよね。おさんどんだね。悔しい思いをしているのよ…」。2世・3世ばかりの永田町にあって、“おさんどん”から成り上がってきた菅氏を、藤木氏は、ことのほか可愛がっていたようです。

ここで、自民党側は「横浜カジノ誘致」の旗を降ろしたのです。

「横浜カジノ誘致」の行方は?

マスコミは、こぞって小此木氏が菅総理に反旗を翻したような報道をしていますが、「ハマのドン」との関係修復には、絶対になくてはならないパーツですからね。

それを見込んで、菅総理が送り込んだ候補者ですから、菅総理自身も横浜へのカジノ誘致は諦めたのではないでしょうか。

ただ日本にカジノを誘致することは「継続」です。

小此木八郎横浜市長選挙立候補予定者は、横浜にカジノを誘致することは、現状では難しいと判断したが、他の地域でカジノを誘致することまどは反対していない…としています。菅総理の掲げるカジノ誘致を否定するものではないことがわかります。

ここで「『現状では』誘致しない」という表現が、林文子市長のように、当選後、頃合いを見計らって、再びカジノを誘致するのではないかという憶測が飛び交いました。

それともう1つ、菅総理が天敵小池百合子東京都知事と長時間親密な話し合いが持たれたなかに、「東京カジノ」の話が出ていたのでないでしょうか。

海外企業からすれば、横浜みなとみらい地区と東京お台場地区、どちらにカジノができたほうが嬉しいのでしょうね…。

そもそも「カジノ」のような巨大リゾート施設はすでに“オワコン”ではないでしょうか。ラスベガスでは、むしろ「オンラインカジノ」のほうが大きな収益を生むとされています。

ようはカジノでも万博でもオリンピックでも、なんで良いのです。「再開発」の大義名分ができれば何でも良いのです。

そのため、キーワードが「再開発」なのです。

それが地元企業が潤うことで、いやもとい、地元産業が活性化することで、地元経済が良くなり、雇用が生まれることにつながるのです。

Next: 争点から外されたカジノ誘致。選挙は「親菅vs反菅」の構図になった

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