fbpx

日本人は、死ぬまで働く。貯金なし年金なし「高齢労働」社会をどう生き残るか=鈴木傾城

日本は先進国から脱落している過程にある

これが自然に解消すると思ってはいけない。日本は少子化問題も高齢化問題も放置し続けてきた。それによって社会のダイナミズムが失われても、誰も強く問題意識を感じなかった。

日本人が日本の問題点をきちんと修正できない以上、突如として日本が成長気運に入って格差も是正する社会が来るなど夢のまた夢である。

ある意味、日本は絶望的な社会に到達したとも言える。

最近、単身世帯によるゴミ屋敷・ゴミ部屋の問題がクローズアップされているのだが、生きづらい社会の中で人生をあきらめた人が「緩慢な自殺」を選択している。

非正規雇用者、若年層の貧困、引きこもり、ネットカフェ難民、困窮する女性、極貧に落ちる高齢者、ゴミ屋敷・ゴミ部屋、孤独死。今の社会で次々と浮かび上がる絶望の光景は、日本が先進国から脱落している過程で起きている光景に見える。日本の社会の底辺はもう「先進国」に生きていない。

私たちは「高齢労働」を強いられる社会に生きている

このような社会で、政府は国民をどうするつもりなのだろうか。実は、もう政府は答えを出している。

「死ぬまで働け」というのがその答えだ。

もちろん、政府はこういう身も蓋もないような言い方をしない。「生涯現役社会」みたいなキレイな言い方をする。生涯現役と言えば、いかにも日本政府は高齢層のライフスタイルを考えてくれているように見えるのだが、本音はそこではない。

「年金を払いたくないから死ぬまで働け」というのが本音である。実際、政府は年金の受給年齢をどんどん後にスライドしようと画策しており、60歳が65歳に、65歳が70歳になろうとしている。

60歳や63歳から年金をもらうこともできるが、そうすると受給額が不利になる。政府がいかに年金を払いたくないかが分かる。

結局のところ、よほどの富裕層でもない限り、「働き続ける」ことで生き残るしか道は残されていない。

何も持たない人間が唯一できる現実的な生き方は「働き続ける能力を持つ」ということである。

Next: 「働き続ける」能力が必要。悠々自適の老後などもう来ない

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー