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「河村たかしの金メダルかじりがキモい」で一致団結した日本国民。トヨタ・ソフト界・選手らの批判相次ぎ“分断五輪”解消に一役、リコール不正まで蒸し返される事態に

名古屋市の河村たかし市長が4日、東京五輪ソフトボール日本代表の後藤希友選手が獲得した金メダルを、こともあろうか断りもなくかじるという暴挙に対する批判の声は、翌日になっても広がり続けている。

河村市長は4日夜に「最大の愛情表現だった。金メダル獲得はあこがれだった。迷惑を掛けているのであれば、ごめんなさい」とのコメントを発表したが、そのそっけない内容が怒りの火に油を注いでしまった。

また5日には、後藤選手が所属するトヨタ自動車から「今回の不適切かつあるまじき行為は、アスリートへの敬意や称賛、(新型コロナウイルス)感染予防への配慮が感じられず、大変残念に思う。河村市長には責任あるリーダーとしての行動を切に願う」という、異例の抗議コメントも出るなど、事態は単なるネット炎上に留まらない大問題に発展。さらにはソフト界の重鎮も「日本ソフトボール界全体に対する侮辱」と怒りの声をあげるなど、炎上の火はどんどん大きくなっている状況だ。

ネット上からは「もはやレイプ同然」との声も

アスリートたちの血と汗と涙の結晶ともいえるメダル。それを選手自らがかじるのならまだしも、赤の他人のオッサンに断りもなく噛まれるというのは、被害に遭った選手の心境を思うとやりきれないものがあり、噛んだ河村市長に批判が集まるのは当然のことだろう。

選手がメダルを噛む光景は今ではオリンピックの風物詩だが、そもそもは大昔のコイン取引業者が、金は他の金属よりも軟らかいことから、本物かどうかを確かめるために噛んで歯形が付くかどうか試したことが起源とされる。そう考えると河村市長の行為は、後藤選手が苦労の末に獲得した金メダルを噛むことで「本物かどうか試した」ということにも捉えられ、そういった意味でも無礼極まりない行為だったといえる。

今回の件に対しては、他のオリンピアンたちからも批判の声が殺到しているが、なかでも大きな反響を呼んでいるのが、ロンドン五輪で銀メダリストを獲得した元バトミントン選手の藤井瑞希さんの告白。実は彼女も同じようにメダル嚙みつかれの“経験者”で、当時のことを「私もある…涙出かけた」「たぶんボケかましてきたんだと思うけど、本当泣きそうになった」と悲痛告白。今後このようなことがありませんようにと「#選手にリスペクトを」というハッシュタグとともに綴った投稿は、多くの共感を集めているようだ。

ネット上では、そんな河村市長の暴挙に対しての厳しい声が殺到しており、一部からは「もはやレイプ同然」といった趣旨の意見も。なかでも河村市長の釈明にあった「最大の愛情表現だった」というコメントに反応する声が多く、「これ、レイプ犯とか殺人鬼が家族発狂させるタイプの発言」「セクハラする人も子供を虐待する人も愛情表現だったって言うよね」と、河村市長の品性を疑うといった声が多く飛び交っている。

「こんな男をなぜ市長に」批判の矛先は名古屋市民にも

民主党所属の国会議員などを経て、2009年から名古屋市長を務める河村市長。現在4期目の長期政権となっており、今回の件では「最低」「キモイ」といった批判的な声が多くあがるも、名古屋市民からは絶大な支持を誇っていることが窺い知れる。

そんな河村市長だが、今年の初めごろには大村愛知県知事のリコール運動を巡る「リコール不正」が発覚し、運動の中心にいた彼にも不正への関与が大いに噂されたのは記憶に新しい。

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大村愛知県知事が「河村氏の発案で始まった。その成れの果てが偽造、捏造、犯罪行為だ」と糾弾のをあげるなど、その責任を問う声が広く巻き上がったこの件だが、対する河村市長は「不正に気づけず申し訳ない」と謝罪したものの、自身の不正への関与は否定。結局、事件はその後リコール団体の事務局長らは逮捕・起訴されるに至るも、河村市長は逃げ切りに成功する格好となった。

しかも、そんなゴタゴタが直近にあったのにもかかわらず、4月に行われた名古屋市長選では、河村市長が僅差ではあるものの、自民党や立憲民主党など4党が推薦した候補を破って当選したのだ。

そんな河村市長にまつわる“疑惑”が、今回の「メダルかじり」の件によって蒸し返されることとなり、ネット上では「名古屋市民はこんないい加減な男をいつまで市長に担いでおくつもりなのか」「入れた名古屋市民も共犯」などと、ついには河村市長を首長に選び続ける名古屋市民にも批判の矛先が向くことに。さらに当の市民からも「名古屋の恥」といった声が多くあがるなど、河村市長を擁護する意見は全くと言って良いほど見られない状況だ。

さらに地元紙である中日新聞も、今回の件に関する英語版の記事を配信した模様で、今後は日本国内のみならず、海外からもバッシングを受ける事態となる可能性も出てきている。

今回の五輪に関しては、不祥事が相次いだことで直前まで「開催中止」の声が多くあがるも、いざ開幕すると日本人選手の大活躍で一挙に絶賛ムードと、開催賛成派・反対派など様々な立場からいろんな意見が飛び交い、五輪のあるべき姿とは程遠い対立・分断を呼ぶイベントとなることも危惧されていた。ところが今回の「メダルかじり」に関しては、あらゆる立場の人間が「河村キモイ」で意見は一致。五輪精神のひとつである「協調」が、思わぬ形で実現してしまった格好だ。

Next: 名古屋市長のウィキには「メダルかじり虫」

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