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百貨店の“余命”はあと何年?プライドを捨て最悪期を脱出、生き残るのは三越伊勢丹か高島屋か=馬渕磨理子

「小売りの王様」というプライドを捨てる覚悟ができている

百貨店業界は、「変化」を先送りにしたことで凋落を招いたと言われていました。

しかし、歴史をさかのぼれば、イノベーターだった時代があるのです。『関西学院経済学研究』47号に掲載されている濱名伸氏の論文「近代日本における百貨店の誕生」に百貨店のルーツが記述されています。

江戸時代の呉服屋は見本を持って得意先を回るか、商品を得意先に持ち込む形で売り上げを立てていました。当時の支払はお盆と年末の2回という売掛の方式であったことから、回収リスクや金利分を商品価格に反映されてしまい、消費者に届く値段が高くなっていました。

そこで、越後屋(現在の三越)が「店前売り」「現金掛値なし」のビジネスモデルを導入したのです。その結果、いい商品が手頃な価格で消費者の手に届くようになり、大衆消費の花が開きました。このように小売りの革命を起こしてきたのが、百貨店なのです。

今回のコロナを通して、百貨店は新しい取り組みや構造改革を進めています。ここから先、百貨店のもつDNAの底力で、自らを改革して立ち上がってほしいところです。

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image by:Ned Snowman / Shutterstock.com
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2021年9月9日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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