<上昇要因その3:「ドイツテレコムとの提携」報道が着火剤に>
そして3つ目は、ドイツテレコムとの提携のニュースがちょうどこのタイミングで入ってきたということがあります。
もともとこのソフトバンクグループは、アメリカでスプリントという携帯電話会社買いました。そのスプリントがTモバイルという携帯電話会社と一緒になることが決定しました。
その結果ソフトバンクはこのTモバイルの株式を持っていたのですが、そのTモバイルを持っているのは実はドイツテレコムという会社でした。
このTモバイル株式をドイツテレコムに渡すことで、逆にソフトバンクグループはドイツテレコムの株式を取得して、4.5%の株式を保有することになりました。ドイツの州とかも株主になっているので、これによって民間としては第2位の株式になりました。
これによって何が起きたのかというと、提携を発表しました。
すなわちソフトバンクグループはドイツテレコムに対して、取締役を派遣するなどして提携を強化して、それによってお互いが得をするような動きになれたらいいのではないかというプレスリリースを出しています。
ドイツテレコムに関してはドイツを中心に9,500万人の加入者がいますから、それは1つの材料となりつつあるわけです。
ただしこのニュースはそこまで大きなものではないのではないかと思います。
それ以上にアリババの動きとかそちらの方が圧倒的に大きいです。ただこのタイミングでこのニュースが出たということは、くすぶっているところに着火剤を点火するようなものにもなりました。
ハイリスク・ハイリターン?
さて、ソフトバンクグループの今後の見通しについてですけれども、何よりNAVの倍率が0.5倍で、時価で考えたらこの株価は2倍になって評価されるべきというような意味です。
ところが、ここには当然リスクというものがあって、その1つがアリババです。
アリババは相当大きい会社で、急になくなるようなことはないとは思うのですが、中国政府、特にこの習近平国家主席はなにをやってくるかわかりませんから、ある日突然アリババの価値がゼロになるなんてことも可能性としてはゼロではない、そこが当然リスクとして組まれます。
もしそうなった場合は、ソフトバンクグループの価値が40%吹き飛んでしまういうことになりますから、それでも尚このNAVが1倍超えないというところもあるのですが、当然リスクとしては残ります。
それに関わらずこのソフトバンクグループは、かなり借金をして投資しているので、借金をすることは株式の価値が半分になると、負債は消えるわけではないので、保有資産の価値の変動以上に損失を被ったりします。
利益が出る時は出るのですが、損失も同じように大きくなりやすいというところがあります。
要は先ほど利益の出かたのところでも説明しました通り、ソフトバンクグループの状況は実は株式市場次第で、日経平均が大きく占めているというところもありまして、株式状況次第、つまりハイリスク・ハイリターンのところがあります。
これはある意味を日経平均のレバレッジETFを買っている、そういう印象すら受ける銘柄です。
私としては割安感は比較的あると正直思っています。買いたいと思うのも正直山々です。
ただし、はっきり言って、ソフトバンクの孫正義社長がどう動くかによって大きく変わってしまう銘柄です。
これだけ大きいのに、トヨタみたいに明確に車事業とかそういったものがあるわけではなくて、とにかくいろんな会社、しかも我々からなかなか見ることのできないスタートアップに投資をしたり、そういった動きを行っているので、なかなか読むのが難しいというところがあって、結果としてそこが短期の投資家を呼び寄せやすいという部分もありまして、株価は大きく動きやすく、しかもレバレッジもかかっているハイリスク・ハイリターンな銘柄です。
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