気をつけたい暗号資産の課税方法
かつては、FXも総合課税方式でした。14年後にようやく、申告分離課税にされた経緯があります。今後、暗号資産も申告分離課税に変更される可能性は十分あるとはいえ、まだ先のことになるでしょう。
現状、日本政府が「ボラティリティ(価格変動率)の激しさが投機を助長し、金融犯罪が多発している状況下で税率を下げれば、一般投資家の被害を拡大させかねない」と考えるのもやむを得ません。
現行制度で、暗号資産がどのような状態になったら課税対象となるのかを、横田税理士にお話いただきました。
「現在、暗号資産が課税対象となるのは次の4つの場合においてです。
1. 保有していた暗号資産を換金した場合
2. 保有していた暗号資産を、他の暗号資産に交換した場合
3. 保有していた暗号資産を使って買い物をした場合
4. マイニングを行って報酬を得た場合
購入した暗号資産に関しては、売却時の差益に課税されます。計算式は、『売却金額-購入時の金額』で算出します。
(1)は利益を確定する行為ですから、課税対象となります。
(2)は「現金化していないから良いだろう」と思いがちですが、暗号資産は売却または使用した時点で所得が生じます。
(3)も(2)と同じく通貨を使用した時点での時価で税金が算出されます。
(4)のマイニングとは、暗号資産の発行を手伝うことで報酬をもらうことです。収入が発生しますから、報酬が入ってきた時点で課税対象となります。
暗号資産を保有している人の中には、自分が課税対象になっていることに気づいていない人がいます。確定申告をせず、後日、国税庁から連絡がきて、初めて納税しないといけないことに気づく、というパターンも結構あると聞いています」。
万一、確定申告をしていなかったことが税務調査で判明すると、無申告加算税と延滞税が発生します。
後になって、払い切れないくらいの税金が来る可能性もあります。
現在、すでに暗号資産を保有している人は、ぜひ参考にしていただければと思います。
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