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日本海の単独呼称の正当性を拡散せよ【実業之日本フォーラム】

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2021年10月22日、磯崎仁彦官房副長官は記者会見で、「日本海」の呼称の正当性を解説する外務省のホームページの動画について「国際社会の正しい理解を促進するため、韓国語を含む9言語版を公開する。『日本海』の呼称は国際的に確立した唯一の呼称であり、国連や米国をはじめとする国際社会において正式に使用されている」と発表した。

2004年3月10日、国連本部事務局は、日本政府の照会に対し「日本海」が標準的な地名であり、国連公式文書では標準的地名として「日本海」が使用されなければならないとの方針である旨、公式に回答している。また、米国において、米国地名委員会の決定に基づき、米国すべての連邦政府機関は、「日本海」の使用を義務付けている。米国に加え、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国なども「日本海」の呼称を使用している。

ところが韓国は、1992年、「第6回国連地名標準化会議」において、「日本海の呼称が普及したのは、日本の拡張主義や植民地支配の結果である」と主張し、「日本海(Japan Sea)」の呼称に異議を唱え始めた。また、1997年から「国際水路機関」(IHO : International Hydrographic Organization)の場でも、「大洋と海の境界」(各国の水路機関による海図作製の便宜を図る目的で,IHOが海洋の境界を示すガイドラインとして編纂している図誌)が定める日本海の呼称に「東海(East Sea)を併記すべき」と主張し始めた。2002年、国際水路機関事務局は、韓国の主張を受け、日本関連ページを一時白紙とし、賛否を問うたが、わが国は本草案に強く抗議し、国際水路機関事務局は草案を撤回している。韓国は、2012年の「第18回国際水路会議」でも同様の主張を繰り返している。その後、2020年11月の「第2回国際水路機関総会」において、「日本海(Japan Sea)」が単独で表記されている「大洋と海の境界」第3版が、引き続き公に利用可能な国際水路機関出版物として承認されている。

歴史的に見れば、イタリアのマテオリッチによる「World Atlas」(1602年)が「日本海(Japan Sea)」という呼称の初出であり、1704年パリで製作された地図、1798年ロンドンで製作された地図には「日本海Japan Sea」が記述されており、ヨーロッパにおいて既に確立された呼称であったと思われる。その後も安定的に使用されており、欧州の文書(History of the name Sea of Japan, the technical document E3-1 of Geospatial information Authority of Japan)によると、世界主要各国の90%以上の地図が「日本海」という呼称のみを使用しており、広く国際的に定着していると言える。また、海域の命名方式は、海域を隔絶する列島弧や半島の名前に由来することが多く、「日本海」は「日本列島」によって「北太平洋」から切り離されたという地理的特徴に基づき命名されており、広く一般に受け入れられているのであろう。

一方、「東海」という海域名は、日本海以外の海域でも複数存在している。中国は国内では「東シナ海」を「東海:トンハイ」と表記し、ベトナムも「東海」を意味する「ビェンドン」を使用し、ドイツとスウェーデンは「バルト海」について「東海」を意味する「オストゼー」、「ウステルヒョーン」と呼称している。因みに韓国では、朝鮮半島を取り巻く海を、自国を中心に、その方角に応じ「西海」「南海」「東海」と呼んでいるが、改称を主張しているのは、「日本海」に関してだけで、黄海、東シナ海の変更は主張していない。

外務省の動画でインタビューに応じたドイツのフランツ・ヨーゼフ・ユング元国防相は、「ヨーロッパ人は日本海が日本海であることを知っている。韓国の主張は、国際慣行を一方的に変更し、ルールに基づく国際秩序を乱すものであり、到底受け入れられるものではない」と断言しており、ナレーションでは「日本海は、過去も、現在も、そして今後も国際社会に認められた唯一の呼称である」と結論付けている。2020年11月、国際水路機関は、「大洋と海の境界」の海図「S23」を改正せず、デジタルを基盤として「S-130」を新規に導入し、地名の代わりに固有識別番号を付与することを決定している。韓国の要求した「東海併記」は実現しなかったが、引き続き「日本海」は公に利用可能である。今回の外務省の9カ国語の動画を公開した理由は、日本海の呼称に関する問題が解決したことを国際的にアピールする目的があったものと考えられる。

韓国は、このほかにも旭日旗に対する反感を国際社会に訴えている。国際社会においては、相手の国内事情を忖度した「大人の対応」は、自らに弱みがあることを認めたと捉えられる。面倒であっても、それぞれ丁寧に反論していかなければ、慰安婦問題のように、一方的主張が定着化しかねない。今回の外務省の動画配信が国際社会でどのように受け取られるか、継続した調査が必要であろう。



サンタフェ総研上席研究員 將司 覚
防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。P-3C操縦士、飛行隊長、航空隊司令歴任、国連PKO訓練参加、カンボジアPKO参加、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動教訓収集参加。米国海軍勲功章受賞。2011年退官後、大手自動車メーカー海外危機管理支援業務従事。2020年から現職。

写真:YONHAP NEWS/アフロ


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