生活物価指数は6ヶ月連続の上昇
韓国の生活物価指数を見ると、今年の4月から6ヶ月連続で2%上昇。その次は10月で3.2%。この上昇が半年以上続いているので、まずはインフレであることは言うまでもない。
体感物価を示す生活物価指数は前年同月比4.6%上昇し、生鮮食品指数は7.5%下落した。支出目的別では、交通(1.4%)、住宅・水道・電気・燃料(0.6%)、飲食・宿泊(0.4%)、家庭用品・家事サービス(0.8%)、衣類・靴(0.3%)、娯楽・文化(0.2%)、その他商品・サービス(0.1%)などが前月と比べ上昇した。保健と通信、食料品・非酒類飲料はそれぞれ0.1%、0.4%、1.6%下落した。
主な品目別では、卵が前年同月比33.4%上昇した。豚肉(12.2%)、国産牛肉(9.0%)、輸入牛肉(17.7%)、ニンニク(13.1%)も上昇幅が大きかった。軽油(30.7%)、ガソリン(26.5%)など給油費も大きく上昇した。
ちなみに韓国の9月からの主要品目物価上昇率(前年同月比)は、卵43%、レタス35%、ニンニク16%である。ビッグマックからレタスがなくなったというのは、こういうことだ。
上の数値を確認していただければわかるとおり、品目別で、卵や肉の価格が上がっている。そして、軽油とガソリンなどの給油費も上がっている。世界的な資源価格の高騰の影響である。
ここに尿素水不足も加わるので、11月の輸入物価はさらに上昇するだろう。
なぜレタス高騰?韓国を襲う「アグフレーション」
アグフレーションとは、農産物の価格上昇によるインフレのこと。農産物(agriculture)とインフレーション(inflation)の造語である。
農産物なので、まず、気候的な影響を受ける。温暖化などによる異常気象などが代表的だが、当然、エルニーニョやラニーニャ現象などもある。他にも猛暑、干ばつや、逆に豪雨などでも農作物が思ったより、育たない場合も上昇しやすい。
それで、どうして韓国では「レタス」が高騰しているのか。
もちろん、レタスだけではない。韓国の夏の間は「猛暑」が続き、葉物野菜の価格が大幅に値上がりした。ほうれんそう、サンチュ、ゴマの葉などの他に、レタスなどの生産量が大幅に減った。さらに、新型コロナの影響で農地の外国人労働者が減少したことも原因とされている。
上のような事象を「アグフレーション」というわけだ。
ただ、9月に比べて猛暑での影響も落ち着いて、10月頃には葉物野菜の価格高騰は収まり始めた。
しかし、ここで尿素の高騰。尿素は農業用の肥料にも使われるので、尿素が高騰すれば、アグフレーションも加速するというわけだ。
さらに、もう1つ気になるのが「輸入物価」である。