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中国製をバカにした大きな代償。米国をあっさり抜いてAI・5G・半導体ほか最先端6分野で中国が世界首位へ=高島康司

IT分野・外交政策・軍事技術の専門家が高く評価

以下が監修者だが、アメリカを代表するIT分野、外交政策、そして軍事技術の専門家が名を連ねている。

・ドン・ローゼンバーグ
世界最先端の半導体メーカー「クアルコム」、「アップル」、「IBM」の元顧問弁護士。

・エリック・シュミット
「グーグル」の前CEO。現在は「Schmidt Futures」の代表。

・ジョン・ホルドレン
「ベルファー科学国際問題研究所」の科学・技術・公共政策プログラム共同ディレクター。ホワイトハウス科学技術政策室前所長。

・ノーマン・オーガスティン
「ロッキード・マーティン」の元CEO、米国工学アカデミー会長、第17代米陸軍次官。

・リチャード・ダンツィグ
第71代米海軍長官。

・ヴェンキー・ナラヤナムルティ
「ハーバード大学工学・応用科学部」の全学部長。

このような錚々たる面々が監修者となり、アメリカと中国の最先端テクノロジーの発展水準を包括的に査定している。「グーグル」の元CEOであるエリック・シュミットも監修者にいることは驚きだ。

過小評価されてきた中国の科学技術

このようなレポートだが、まず出だしはこれまでの反省から始まる。興味深い内容なので、この部分だけ要約的に訳出した。

「1999年、21世紀の到来記念して、全米科学・工学・医学アカデミーは、今後数十年を見通したレポートを発表した。動物のクローン、自動車に搭載された喋る電子道路地図、タバコの箱ほどもある強力なコンピュータなど、「昨日のSFが現実になる」世界を予見していたのである。その報告書では、アメリカの「新しい知識を創造し、それをみんなのために役立てるためのユニークで強力なシステム」が20世紀の生産性上昇の主要なエンジンであり、同様に21世紀の最大の決定要因になると宣言している」。

このように、1999年の時点では、アメリカが21世紀の最先端テクノロジーをリードすると見られていた。しかしこれが大きな誤算だったとしている。

「今日、この報告書を読み返すと、この報告書が見落としていた象がいる。それは中国だった。アカデミーの全米研究会議が思い描く未来では、中国はほとんど重要ではなかった。

タイム誌の特集「ビヨンド2000」は、当時の常識を反映して、次のように自信たっぷりに断言した。「21世紀、中国は巨大な工業国になることはできない。一人当たりの所得がガイアナやフィリピンと同程度の中国では、先端技術製品はおろか、それを購入するお金もない。開発するための資源が必要だ」

だが、この認識は2010年ころから次第に変化してきたという。

「しかし、2010年になると、この図式は変わり始めた。中国は多国籍企業の低コスト製造拠点として成長し、大衆向け製品の世界的な製造工場になろうとしていたのだ」

しかし、それでもアメリカの代表的な知性は中国を過小評価していた。

「中国研究者のウィリアム・カービーが「ハーバード・ビジネス・レビュー」で指摘したように、当時の主流派によれば、「中国は規則に縛られた暗記学習者の国」であり、イノベーションを起こすことはできず、模倣することしかできないと多くの人が信じていた。イノベーションは自由な思想家による自由な社会でこそ実現可能で、権威主義的な政権の下では不可能だという論理である。中国では模倣ソフトウェアの問題が横行し、マイクロソフトがWindowsの海賊版を阻止する努力を放棄したことは有名な話である」。

このように、中国が世界の製造業の生産拠点として発展していた2010年になっても、アメリカの代表的な知識人の多くは中国の開発能力をあまりに過小評価していた。

Next: 恐るべき中国の進歩。世界を牽引する6つの最先端テクノロジーとは

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