中国のコンピューター科学者は「米国の3倍」
さらにこのレポートでは、中国が優位性を実現できた理由を分析している。それは一言で言うと、教育の違いである。
理工系の分野は総称して「STEM」と呼ばれている。それは、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・数学(Mathematics)の教育分野を総称した言葉だ。レポートには次のようにある。
「理工系の大学学部を卒業した人の数では、2000年にアメリカが50万人以上で世界のトップだったのに対し、中国は36万人弱だった。現在、中国はアメリカの4倍(130万人 対 30万人)のSTEM学生を、3倍(18万5,000人 対 6万5,000人)のコンピューター科学者を卒業させている。
幼稚園児から高校生までを対象とした国際的な科学技術ランキングでは、中国は数学と科学の分野で常にアメリカを上回っている。2018年、数学、科学、読解力を評価するPISAのスコアは、中国が1位であるのに対し、アメリカは25位だった」。
日本と中国のテクノロジー比較
最後にこのレポートには、中国と日本の比較がある。
欧米の一部の意見に反して、中国は日本のように停滞することはないだろうというのだ。
「日本の技術的野心は「ガラパゴス症候群」に阻まれていた。革新的な技術は孤立して開発され、国内市場向けに高度に専門化されてはいたものの、海外での競争には苦戦していた。
一方、中国のテクノロジーの発展は、5Gの世界展開に見られるように、世界のグローバルな発展に深く溶け込んでいる。「ガラパゴス化」していないのだ。
中国は他者のイノベーションを「スケールアップ」する能力を持っているため、製造、研究開発、標準設定といったテクノロジーのバリューチェーンの中で上昇することができた」。
科学とテクノロジーのあらゆる分野で中国が世界標準になる
さてこれが、最近発表された米中の最先端テクノロジーの比較レポートだ。
結論を一言で要約すると、最先端科学とテクノロジーではアメリカの優位はすでに失われたか、または辛うじて維持している分野でも、急速に中国に追いつかれつつあるということだ。
遅くとも2030年ころには、科学とテクノロジーのあらゆる分野で中国が世界標準になる可能性が極めて高い。
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