中国が食品をかき集め。世界的な食料需給逼迫(ひっぱく)の原因に
農水省の発表によれば2020年度の国内の食料自給率は前年度比で1ポイント低下して37%になったとのことで、過去最低水準をキープしています。
平たく言えば、国内で食べる食品の6割以上が海外から依存しているわけですから、マクドナルドのポテトのようなことは日常的に起きる供給リスクというわけです。
そして、今ここで中国が昨年夏あたりから猛烈に世界から食品の買い集めを行っており、直近ではその食料備蓄が世界の半分強を占める在庫量になっていることが非常に危惧されている状況です。
大豆、小麦、米、トウモロコシといった食料はほとんど中国内で生産できるものというイメージが強いわけですが、実際には国内消費の5割〜6割以上を輸入に依存し始めており、これを受けて個人の家庭でも過激な食品備蓄が進行していることが大きな問題になっているようです。
中国は備蓄に全力、日本に食材は回ってこない可能性
中国の場合、新型コロナ禍で食品のサプライチェーンが崩壊したことに加え、北東部の洪水でかなりの田畑が失われたこと、さらに米国、豪州との関係が崩れて輸入がうまくいかなくなっていることなど複合的な問題が重なっているようです。
習近平政権は、人口の1割程度に食品が行き渡らないというリスクを解消するために、備蓄に励んでいることは間違いありません。一部の軍事アナリストからは、戦争するつもりがあるのでは?といった懐疑的な声も聞かれています。
まあ、戦争するしないとは関係なく、国民に食料を供給するためには、ここまで穀物在庫を確保しなくてはならない状況に至っていることは間違いなさそう。
年明けもこの状況が継続するのであれば、本邦の食料事情にも大きく影響を与えることが危惧されています。