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未熟な若者が「FIRE」を目指す危うさと愚かさ。ドケチ生活で“種銭”を貯めても不幸になるだけ=午堂登紀雄

「節約」「貯金」よりも大切なことがある

そのうえで、賢くお金を使えること。ここでいう「賢さ」とは、自分や自分の家族の満足度・納得度が最も高くなるようなお金の使い道・使い方を考えられることです。

お金は道具に過ぎません。お金を使うことは何かを為すためです。自分の目的に最も合致した対象は何か、そしてその目的を最も有利に達成できるところへお金を分配することを考える必要があります。

この「お金を生み出す」「賢くお金を使う」のは文字にすると簡単ですが、実行するのは実は難しいことです。

なぜなら、私たちはお金に関することを誰からも学ぶことなく、家族や周囲の人たちの振る舞いを見ながら、あるいは断片的に流れる情報などの影響を受け、なんとなく価値観を形成し、なんとなく生活してきただけだからです。

実際「お金を生み出す方法の作り方」なんて教わったことはないと思います。だからほとんどの人は「雇われる生き方」しか選べない。すると収入形態も当然「固定給」となり、収入はほぼ毎月一定額です。

だから収入の範囲でやりくりするしかないという発想になってしまう。それが「節約貯金が大事」という観念が浸透している理由のひとつでもあると思います(まあ、もともと日本人は節約貯金が美徳のような価値観を持っていますし)。

しかし、この先はそういう発想では、豊かな生活は難しくなる可能性があります。コロナで減収や仕事を失った人が多かった現実を見れば余計に、「何が起こるかわからない」「何が起こってもおかしくない」前人未到の時代だからです。

そこでこのメルマガでは、お金の基礎体力をつけるとともに、それを応用し、変化に翻弄されることなく「お金を生み出す」「賢くお金を使う」ための発想法を、今後、数週間にわたってご紹介したいと思います。

ただし、物事に対する価値観は人それぞれです。なのでここで書いたことがすべての人に当てはまるとか、どんな状況でも正しいということではなく、あくまで自分が考えるためのヒントとして捉えていただければと思います。

年金だけでは暮らせない?

多くの人が気になる老後対策。その場合「公的年金」は必須です。

金額が多い少ないかはともかく「何もしなくても生涯もらえるお金がある」というのは、ひとつの安心材料となるからです。

会社員は強制的に社会保険に加入となりますから、基礎年金に厚生年金が上乗せされ、それなりの年金を受け取れます。これである程度老後資金の担保になりえるでしょう。

一方、自営業者は基礎年金だけで厚生年金がありませんから、追加で付加年金や国民年金基金、あるいは小規模企業共済に加入しておいた方が安心です。掛金は全額所得控除となり節税にもなります。

iDeCo(確定拠出年金)も、加入しない理由がないぐらいメリットが大きい。

自営業者の中には年金をあきらめて加入してない人がいるそうですが、私は必須だと考えています。仮に月6万円しかもらえなくても、ゼロよりはマシですから。

ただし、私たちが老後を迎える数十年後、いまの年金制度がそのまま継続しているとは限りません。支給開始年齢がもっと後になり、支給額がもっと減ったりすることも考えられます。

つまり、年金だけに依存し無策で老後に突入するのはリスクがあり、別途備える必要があります。

そこでまずは年金に過度に依存するのではなく、「あればラッキー」程度に捉え、年金がなくても送れる生活基盤を構築することです。

年金に依存すればするほど、いざ頼れなくなったときにどうしようもなくなりますが、年金に期待していなければ年金はプラスのお小遣いのようなもので、ゆとりある老後を迎えることができるでしょう。

ただし、その問題解決手段が「節約貯金」というのはハイリスクです。これは自分の能力を劣化させる懸念があるからです。

Next: 「1億円を貯めて会社を辞める」の綱渡り感。大事なのは自分の実力だ

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