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なぜ若い「FIRE」信奉者は才能をドブに捨てるのか?ドケチ生活で失う経験値と稼ぐ力=午堂登紀雄

リスクをどこまで想定できているか

実際、数十年も先のことなんて見通しが立たないでしょうから、多少の不安があるとは思いますが、人生経験が少ないと考え得る選択肢が少ないために、それらリスクへの想定も狭く浅くなりがちです。

まず1億円も投資元本を貯められるような人は稀でしょうから、多くの人はその手前でFIREすることになります。

それが株式や投信だけで構成されているなら、将来の減配や株価・基準価額下落のリスクをどこまで織り込んで生活設計を考えているのか。現預金であれば、円安や資源価格高騰などでインフレによる価値の減価を想定してるのか。会社を辞めれば厚生年金から外れますから、将来の年金受給額も減ります。それを補う方法を考えているのか、あるいはなくても問題ない計画をしているのか。当然ながら自前で国民年金・健康保険に加入し住民税も自分で納めることになります。

旅行やレジャーや外食がどのくらいのレベルでどのくらいの頻度でできると思っているのか。あるいはなくても問題ないのか。自分の趣味嗜好が変わることも想定しているのか。独身者や共働き世帯は別として、子どもがいれば学費や教育関連費なども想定済みなのか。

そして、もしお金が足りないという事態になったら、バイトでもするのでしょうか。社会から長く離れた上に60歳や70歳を超えてできる仕事は限られていて、あまり選り好みできないような気もしますが。

そして将来、親に介護が必要になったとき、支えられるのか。生涯医療費の半分以上は70歳以降にかかってくると言われており、病気や医療費への備えも考えているのか。そして自分自身(あるいは配偶者)が介護を受けなければならなくなったとき、設備や体制の整った施設に入居できるのか。

若い人はまだ元気だし親も健在な人も多いでしょうからピンとこないかもしれませんが、すでに見えている未来です。

一方、いろいろな仕事を経験しトラブルを乗り越えていく過程で、リスクの想定範囲も広がりリスクマネジメントの腕も上がります。会社でもベテランの方がプロジェクトを上手く回せますよね。それも経験の為せる技です。

わが家の家計防衛策

私の現在の仕事としては書籍やコラムの執筆、講演やセミナーが主体でのんびり仕事をしているので外見上はFIREみたいなものですが、仕事が途絶えても大丈夫なように「守りは固く」を鉄則にしています。

株や投信だけではなく、不動産や太陽光発電所などの現物投資もしており、どれかがコケてもどれかで補填できるよう分散しています。自宅は賃貸併用住宅で、住宅ローンの返済額+固定資産税もすべて家賃収入で賄えているので住居費はゼロ(というか逆にプラス収入)。30冊以上ある電子書籍は完全不労所得ですし、昨年からは農業も始めました(作業は外注)。外貨預金、金(ゴールド)やFX、暗号資産、海外不動産などにも投資し、まあこれらは読みが当たればラッキーかなという程度ですが。

自分が所有する会社で厚生年金に加入していますが、節税(所得控除及び損金算入)と運用の両立を考え、確定拠出年金(企業型)、倒産防止共済(個人と法人の両方)、小規模企業共済に加入しています。これを夫婦で掛金マックスでやっており、他にも民間の個人年金と低解約返戻型保険を最大の所得控除が受けられる最小の金額で入っています。こうして年金に依存しない体制を作っています。

子どもは2人いて、「子どもNISA」もやっています。進学は私立ではなく基本は公立で、それで浮いた費用を学校ではできない経験のために使います。大学に行きたいなら海外留学しか認めないようにしようかと思ったり、なので教育費はここでかかることを想定内に。しかし早いうちに起業を教えれば、大学なんてつまらないから行かないと言い出してくれないかな?(これはどうなるかわかりませんが)

そして、そろそろであろう親の介護も視野に資金をプールしています。

これらは20代の頃の私にはまったく思いつきませんでしたし(そもそも存在しなかった、あるいはハードルが高かったものもあります)、仮に知ったとしてもそこまでの信用力(ローンを組むなど)や資金力もありませんでした。

家計は2馬力が基本だと思っていて妻も働いていますが、彼女は仕事が楽しくて仕方がないらしく、65歳で引退なんて冗談じゃないと言っています。自営業だからそもそも年齢は関係ないですが。今朝もウキウキしながら出かけて行きました(笑)。

その妻の仕事のサポートやアドバイス、ウェブサイトの設計などを私がしているのですが、もし自分が会社員しか経験していなかったら、こんなことはできなかったと思います。やはり経験って大事だなあと思います。

Next: FIREは「稼ぐ力」を付けてからの方が楽しい

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