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「連続利上げ」でもインフレは止まらない?歪んだ金融政策の巻き戻しと遠いサプライチェーンの正常化=脇田栄一

処方箋を誤ると事態はより深刻に

バイデンフレーションといわれるように(共和党議員)、バイデンの政策によって経済が混乱し自らインフレを高騰させている。結果、需要を満たすことができずサプライチェーンの正常化は見通せず、流動性の問題ではないにもかかわらず、パウエルFRBは連続利上げといった過剰流動性を抑制する政策でインフレ軟化を睨んでいる、といった状態である。

処方箋を誤ると事態はより深刻になる。原因は流動性でないにも関わらず、メディアや専門家中心に高インフレだから利上げ回数を増やせという。中身を精査できているのか甚だ疑問で、景気を一層冷え込ませるのではないか。

そしてしつこいようだがQT(量的引き締め)である。財政規律を考慮した場合、資産を圧縮するのは当然だが、結果としてマーケットが冷え込み、先述したように企業の時価総額が大幅に縮小すれば資金調達は困難となり、経済成長はより深刻な状況へと陥るだろう。パウエルFRBはバイデン政権に呼応するように歪んだ巻き戻しとともにサプライチェーンの正常化の見通しすら立てることすらできないのではないか。

当然これらは現時点での個人的見立てであって、確信をもっているわけではないが救いとしては、ごく一部の連銀総裁がこのことに気付いていることである。FOMCは議長の決断に従う事が伝統的に不文律となっているが、議長が明らかに誤った巻き戻しをする、ということであれば是非ともブレーキを掛けて欲しいものである。

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image by:MDart10 / Shutterstock.com
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本記事は脇田栄一氏のブログ「ニューノーマルの理(ことわり)」からの提供記事です。
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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