無理に奨学金を借りてまで進学する必要はあるのか
そう考えると、難関校ならともかく、定員割れしているような偏差値の高くない大学、つまりさほど勉強しなくても受かる学校、勉強があまり得意でない人たちが通う学校に、果たして借金をしてまで進学する必要があるのだろうかと(差別的にならないようこのあたりの表現は難しいですね)。
あるいは親の老後の資金を削って生活を犠牲にしてまでも、そんな大学に行かせる必要があるのだろうかと。
まあ、人によって考え方は違いますが、たとえば勉強だけなら、海外国内含めて大学が解放している無料のオンライン動画講義なども多数アップされていますし、大卒資格が欲しいなら安価な通信制大学もある。
無理をせず大学ではなく専門学校に通って税理士や会計士などを目指すという道もあり、仕業で独立すれば定年退職とも無縁です。自分の得意を探ってみると、他の可能性に気づくかもしれません。
※参考:専門学校をさがす – マイナビ進学
大卒でないと就職で不利になるからという点は理解できますし、大手企業はほぼ一流大卒しか採らないかもしれませんが、実力次第で転職や起業によって地位も報酬も掴めると思います。
大学のすべてを否定するわけではありませんが、大卒でも就職できないとか、貧困に陥ることがあるわけで、大学に行けばすべて解決して幸福になれるわけではない。なのに大学に行くのが絶対価値という、大学至上主義的な風潮には違和感を覚えます。
この「大学に行かなければならない」という思い込み、親の「子を大学まで行かせなくてはならない」という固定観念が、少子化を含めいろいろな問題、いろいろな不幸を招いている原因にもなっているように思います。
もっと多様な生き方があっていいはずなのに。
高校を出たら人生は本人だけのもの
だからというわけでもないですが、わが家の2人の息子には起業を教え、高校を卒業したら家から追い出し、進学したいなら奨学金で行けと早くから言い聞かせる予定です(特に海外の大学は給付型のスカラシップが豊富に用意されているし、日本の大学のように勉強をサボれませんから、本人の意志・能力次第ですが留学を勧めると思います。この場合、学生ビザだと働けないので生活費は親が出さないといけないですかね)。
親がお金を持っているかどうかは関係ない。親が子の学費を出さなければならないなどと決まっているわけではなく、親が出すべきだという世間の常識、固定観念に過ぎない。他人が考える「こうすべき」に自分が合わせる道理などない。
私が親の役目だと考えているのは、子が自分の足で立って歩けるようになるためのサポートであり、どんな状況になっても乗り越えていける土台を作ることです。
だから高校までは、子がやりたいことを応援し、没頭できる環境を与えます。そのためのお金は惜しまない。
でもそれ以降は本人自身で自由に人生をデザインさせようと思います。法律上も令和4年度から18歳で成人になり、契約の当事者にもなれますしね。
基本的にはもう親の支援も援助も不要という状態にして送り出したい(これが私が「子育ては18年間の娯楽」と呼んでいるゆえんです)。
そもそも子は親とは違う。そして子は親とは違う時代を生きなければならない。親のアドバイスが通用しない可能性もある。
そんな時代環境下において、親の古い価値観を押し付けたり、旧来の常識に従ったり、旧来の教育を受けても適応できるとは限らない。
だから進学するか否かも含めて自身で判断させる。自分の頭で考えさせ自己責任で行動させる。
そのためにも、高校を卒業したら家を出て自立する。親と離れ、親の価値観から脱却し、経済的にも精神的にもひとり立ちする。そして自分の人生は自分自身の手で切り開く、それが人生の醍醐味というものです(私の価値観の押しつけなので矛盾しているようですが、これは真理だと思っています)。
という私の考えを子どもたちが受け入れてくれるかどうかはわかりませんが(これすら私のエゴに過ぎませんからね)、そのような教育をしていこうと思っています。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2022年2月7日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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