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奨学金のどこが「悪質な学生ローン」なのか?返済に苦しむ若者が見落としている5つの自業自得=午堂登紀雄

大学進学は本当に価値があるのか?

私個人は日本の大学に進学することに、そんなに価値があるのかなあと少し懐疑的に見ています。

むろんいまは起業しているので学歴が関係ない状況だからというのもありますが、大学に進学して自分の価値が上がるのか、成長するのか、実感がなかったからです。

たとえば私の経験で言えば、大教室での講義は本当につまらなかった。理系はまた違うのだと思いますし、個別の学校、個別の教授によってもピンキリだと思いますが、教授は教育者というより研究者という感じで、教えることにあまり熱心ではない印象でした。

確かに勉強以外にも、たとえば友人との出会い、恩師との出会い、恋人との出会いなど、貴重な経験を得られることもあるとは思います。4年間じっくりと自分がやりたいことを探せるモラトリアム的な時間として有意義な人もいるでしょう。

しかしそれらも、仮に高卒で就職したとしても、真摯に取り組んでいれば機会は開かれるのではないかと思います。

私の場合はアルバイトで学ぶことが多かったです。仕事で評価されるとはどういうことかが早くにわかりましたし、接客業は「標準語で丁寧に接する言葉遣い」が身に付きました。(そういえば彼女もバイト先のコだったなあ笑)

まあ、私は前半はバイト三昧、後半は会計士の専門学校に入り浸っていましたから、キャンパス生活を楽しめなかっただけでしょう。なので上記は自分の狭い狭い経験に過ぎず、あくまで個人的感想です。

高学歴と能力は比例する傾向にある

とはいえ、高学歴と能力は一般的には比例関係にあることは私も理解しています。以前書いたこちらの記事から一部抜粋してご紹介します。

たとえば2018年時点での東証マザーズ上場の経営者の出身大学1位は慶應義塾大学、続いて2位が早稲田大学、3位には一橋大学、関西学院大学、東京理科大学が、7位には青山学院大学や日本大学、明治大学がランクインしています。

また、経産省が発表した令和2年度の大学発ベンチャー企業数ランキングでは、1位東京大学、2位京都大学、3位大阪大学、4位筑波大学、5位東北大学と続きます。

高学歴、つまり基礎学力の高さは、「チャンスを手に入れられる素養」につながる可能性の高さを示唆しています。

海外を見ても、ビル・ゲイツ氏やマーク・ザッカーバーグ氏はハーバード出身(中退)、特にシリコンバレーを擁するスタンフォード卒の起業家も多く、グーグル創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、ナイキ創業者のフィリップ・ナイト、ほかにもヒューレッ・トパッカード、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズ、ネットフリックスといった有名企業の創業者を輩出しています。

スペースX社やテスラを率いるイーロンマスク氏は、名門ペンシルバニア大ウォートンスクールを経て(しかもスカラシップを獲得している)、スタンフォード大学院に進んだほどの学力を持っています(が、2日で中退)。

では、なぜ高学歴と起業が両立するかというと、自ら主体的に勉強して進学する子は、下記の能力があまり勉強しない子よりも高い次元で獲得できるからではないでしょうか。

・進学しようという向上心やチャレンジ精神
・家から遠く離れてもチャンスを掴もうという自立心
・日常的に勉強に取り組む姿勢・集中力
・自らモチベーションを維持しあきらめず勉強を続ける精神力
・自分に合った勉強法を自分で考え工夫する創造力や応用力
・勉強方法を試行錯誤し必要に応じて都度変更し最適化させる柔軟性
・受験までの戦略を描く時間感覚やプランニング能力
・複数の科目を同時に勉強するバランス感覚や並行処理能力
・力を入れる範囲、手を抜く範囲を取捨選択する分析力や判断力

こうした資質・素養は、日頃の勉強や思考習慣を通じ、おそらく根源的な学習能力や思考力が高いレベルに育っているからであり、つまり高学歴は彼らの能力の副産物みたいなものなのかもしれません。

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