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急成長する国産「二次電池」業界、投資家が注目すべき日本企業4社とは?=田嶋智太郎

注目企業その2:日本特殊陶業<5334>

昨年5月に開発したことを発表した非焼結型・酸化物系個体電池でクラス最高水準の容量・サイスの固体電池を展示していた。この電池は不燃性で有毒ガスの発生もなく、過酷な環境下やより広い温度範囲での使用が可能。

宇宙空間や自動車の分散・バックアップ用電源、海洋機器、運輸用IoT、加えて火災や爆発を防止する機能が要求される機器などでの活用が期待される。

株式会社ispaceが進める民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」にコーポレートパートナーとして参画し、2022年に月面で世界初となる固定電池の実証実験を行う計画。すでに各種環境試験をクリアしたフライトモデル電池の試作を完了し、打ち上げに向けて順当に準備が進んでいる。

同社は自動車用プラグ、排気系センサーで世界一。電子部品や医療機器、燃料電池なども手掛けている。売上高の割合は、自動車関連が79%、セラミック関連が9%。

足元は、補修用プラグと半導体関連部品が好伸。23年3月期は自動車減産が徐々に解消してきており完成車用プラグが復調、センサーも拡大する見通し。半導体関連も好調が持続している。

22年3月期は、営業利益が前期比70.9%増の810億円、純利益が同56.4%増の600億円に達する見込みで、過去最高を大幅に更新する見通しである。

「日本特殊陶業<5334> 週足(SBI証券提供)」

日本特殊陶業<5334> 週足(SBI証券提供)

現在株価は、予想PER=7.06倍、PBR=0.94倍、予想配当利回り=4.91%と、かなりの割安水準にある(※編注:原稿執筆時2022年3月25日11:00)。一目均衡表の週足「雲」が強い下値サポートとして意識されており、先週からは強い切り返しの動きが見られている。

注目企業その3:三井金属鉱業<5706>

展示ブースでは、次世代電池として期待される全固体電池向け固体電解質「A-SOLiD(エーソリッド)」に加えて、固定電解質シート、全固体電池(モックアップ)も展示されていた。

昨年11月にエーソリッドの量産試験用設備からの供給開始をリリース。量産試験用設備での検証を完了し、固体電解質のサンプル供給を開始している。現在、協働しているマクセル株式会社などへのサンプル供給に加え、EV用途向けの要望も増加、評価も順調に進んでおり、当社の固体電解質を利用した顧客の開発が活発に進んでいる。

足元は、極薄銅箔がスマホ向け好調。亜鉛など金属価格高騰続き営業益上振れ。極薄銅箔はスマホの5G化や高性能化で1台当たりの使用量が増えている。

「三井金属鉱業<5706> 週足(SBI証券提供)」

三井金属鉱業<5706> 週足(SBI証券提供)

現在株価は、予想PER=4.76倍、PBR=1.02倍、予想配当利回り=2.79%と、かなりの割安水準にある(※編注:原稿執筆時2022年3月25日11:00)。一目均衡表の週足「雲」が下値サポートとして意識されはじめており、先週からは強い切り返しの動きが見られている。

Next: 残りの1社は電子顕微鏡で世界首位のあの企業

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