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東北地方、GW中の“雪マーク”予報に動揺の声。「米騒動の時も季節外れの雪が…」今年の冷夏と“米不足再び”を懸念する見方も再燃か

いよいよ目前に迫った今年のゴールデンウィークだが、仙台や岩手といった東北地方の今週末の天気予報に、季節外れの“雪マーク”が出ているということで、一部からは心配の声もあがっている。

新型コロナの感染状況は依然として油断ならない状況ではあるものの、コロナ禍突入後では初めて“行動制限”がないなかでの大型連休とあって、高速道路も場所によっては40キロを超える渋滞も予想されるなど、各地でコロナ前と同程度の賑わいとなると見込まれている。

そんななか、突如出された今回の雪予報だが、たとえ北国とはいえこの時季に雪が降るというのは稀なようで、それだけにSNS上には地元民や当日現地を訪れる予定だという方々から「もうタイヤ交換しちゃったよ…」といった、困惑のツイートが多くあがっている状況だ。

ただ今回の“雪予想”だが、天気予報の提供元によっては曇りや雨としているところもあるなど、その内容にはバラツキがある模様。また、取沙汰されている今週末に近づいていくにつれて、その予報が変わる可能性も大いにありそうだ。

季節外れの雪予報に“米騒動”を思い出す人も

このように多くの人を驚かせている今回の季節外れの“雪予報”だが、それに戸惑っているのはどうやらお出かけ予定の人々だけでないようである。

というのもSNS上の一部からは、約30年前に発生した“米騒動”の際にも、ゴールデンウィークあたりに季節外れの雪が降ったっけ……といった話が持ち上がっているのだ。

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イネが記録的な生育不良となり米の収穫量が激減したことで、日本中が深刻な米不足の状況に陥った1993年の米騒動。緊急輸入されたタイ米が各地で廃棄されるという事態が発生したり、一部の量販店などでは“ヤミ米”の販売が大々的に行われたりと、大きな混乱があったことを覚えている人も多いだろう。

この年、イネが記録的な生育不良となったのは、記録的な冷夏のためとされているが、その冷夏を招いた原因とされているのが、その前々年である1991年に発生したフィリピン・ピナトゥボ山の大噴火だ。

というのも火山の噴火時、大気中には二酸化硫黄(SO2)という物質が放出され、それが化学変化を起こして硫酸エアロゾルと呼ばれる微粒子に変化する。これが成層圏を漂って太陽光の一部を反射させることで、地表面の温度を下げるというのだ。

1991年に起きたピナトゥボ山の噴火だが、20世紀最大級の規模と激しさだったとされており、それだけに冷夏の発生など世界の気候への影響も甚大だったというわけだが、いっぽうで火山といえば、今年1月にはトンガの海底火山でも大規模な噴火が発生し、世界を大いに驚かせた。

噴煙の高さが20キロを超えるなど、先述のピナトゥボ山の噴火に次ぐ規模だったとされるトンガ噴火だが、その際には小麦や砂糖などの先物市場が高騰するなど、冷夏の恐れを危惧する動きもすぐに現れた。

そんな冷夏への懸念だが、万が一にも現実のものとなれば、すでにインフレ気味なパンやパスタなどの価格が、さらなる値上げとなる可能性があるのはもちろん、1993年同様にイネの生育にも影響が出れば、ここまで比較的価格が安定している米までもが、価格上昇どころか深刻な不足状態に陥ることも。つまり、日本人の食生活に欠かせない米・パン・麺類といった主食が“総崩れ”となる、困った事態にもなりかねないのだ。

もっとも、今回のトンガ噴火に関しては、海底火山の噴火だったために二酸化硫黄の多くが海水に溶け、大気中にはあまり放出されなかったとされ、ピナトゥボ山噴火の時のような気候への影響はないのではという見方も。猛暑続きの夏もそれはそれで大変だが、あらゆるものが値上げ続きですでに疲弊し切っている家計のためにも、一部で噂される“冷夏の恐れ”が取り越し苦労となることを祈るばかりである。

Next: “アラバキ”の天候を心配する声も

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