貯蓄税や独身税も。政府の「絶対に、毟り取ってやる……」という執念
他にも「貯蓄税」というものも検討されている。貯め込んでいる人間から預金残高に乗じて税金を課すというものだ。定期預金の金利は0.002%だとかそんな時代に、貯蓄税という名目で税金を取るというのだからどうかしている。
「独身税」というのも話題になったことがあった。ある財務官僚がそれを漏らしたことがあった。「独身税の議論は行われているが、議論が進んでいるわけではない」と火消しされたが、財務省の中ではどうやって税金を取るか、さまざまな新税が話し合われていることが明るみに出た出来事でもあった。
「絶対に、毟り取ってやる……」という執念がここから透けて見えるようだ。年金は払わないが、税金は何が何でも毟り取る気でいる。
こんな調子だから日本人は死ぬまで働かされるのは言うまでもない。
「死ぬまで働け。そして税金を納めろ」と言う政府
実際、政府はそのつもりでいる。たとえば「65歳定年制」もそのひとつだ。
「一億総活躍」だとか「高齢者がいきいきと働ける社会の実現」と政府は言うが、そんなものは方便である。「死ぬまで働け」が「一億総活躍」という言葉に置き換えられているだけなのである。
政府は年金の受給開始年を65歳にした。そうすると、60歳退職では暮らしていけない人間が続出して今度は生活保護受給者が増えてしまう。
だから、政府は企業に65歳までの人間を押しつけて、無理やり働かせることにさせたのだ。もちろん、企業も高齢者を無理やり「押しつけられる」わけなので、企業はとっくの前から再雇用制度を取って防衛している。
再雇用制度とは、55歳や60歳にいったん会社を辞めてもらって嘱託扱いの雇用契約を結ぶことだ。その際は、給料が激減するのが普通である。
今は「65歳定年制」の提唱だが、それが定着したら今度は「70歳定年制」になるのは目に見えている。年金支給開始年齢を68歳から70歳に引き上げになったりすると、70歳まで働かせようと考えるのは政府にとっては当然のことだ。
国民を「一億総活躍(=死ぬまで働け)で働かせて、税金をどんどん毟り取る。年金の受給を極限まで遅らせ、貯め込んだ金からも税金を取る。それが政府の方向性だ。