少子高齢化が日本社会を亡国に導いているというのは分かっているのに、政府は無為無策のまま放置している。このままでは、もっと子どもが減ってしまうだろう。さらに子どもの貧困率も先進国にしては高い状態が続いており、給食費が払えない子どもも今や珍しい存在ではなくなった。子どもの貧困を放置すると将来の日本に大きな問題を起こす理由のひとつとして、「貧困の連鎖」がある。貧困に生まれ育った子どもは貧困から抜け出せず、あたかも「貧困が遺伝する」ような様相を見せることだ。子どもの成績と親の年収は比例するというのは、すでに全国学力調査の結果からも明らかにされている。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
少子高齢化が日本社会を亡国に導いているが……
今後はもっと日本女性は追い込まれる。結婚制度も崩壊して女性は孤立する。男たちは自分の妻や子どもを簡単に見捨てる。シングルマザーの地獄については、拙著『ボトム・オブ・ジャパン 日本のどん底』でも詳しく取り上げた。
今後は確実に結婚制度は崩壊してしまうのだが、その後にどのような結末が待っているのか表社会の人たちはまったく気がついていない。そのため、女性と子どもが見捨てられることによる貧困と、その対策は最後の最後まで放置される。
今の社会情勢が放置されると、子どもも母親と一緒に貧困に巻き込まれていくということだ。
日本は子どもを巡る環境が悪化しているのは、日本人がもはや子どもを作らなくなったという現象として表れている。それは統計でも顕著だ。日本はコロナ以前から子どもの数は減っていたが、2021年に至っては、81万1,604人で1899年の調査開始以来過去最少となったたのである。
少子高齢化が日本社会を亡国に導いているというのは分かっているのに、政府は無為無策のまま放置している。このままでは、もっと子どもが減ってしまうだろう。
さらに子どもの貧困率も先進国にしては高い状態が続いており、給食費が払えない子どもも今や珍しい存在ではなくなった。
虐待も増え、児童虐待相談もうなぎ登りに増えている。厚生労働省がまとめた児童相談所による児童虐待相談対応件数によると、2020年度の速報ベースで件数は過去最多の20万5029件となっていた。
ひとり親が増えたことによって放置児童も増え、夜中に外をうろついて事件に巻き込まれる子どもも出てきている。
日本政府は1990年以後のバブル崩壊の中で消費税3%を継続し、超就職氷河期の中で増税し、2001年代の小泉政権からは非正規雇用者を爆発的に増やして貧困と格差を拡大させていったのだが、そこから派生する問題が子どもの問題として波及している。
貧困児童は一生貧困から抜け出せない
子どもの貧困を放置すると将来の日本に大きな問題を起こす理由のひとつとして、「貧困の連鎖」がある。貧困に生まれ育った子どもは貧困から抜け出せず、あたかも「貧困が遺伝する」ような様相を見せることだ。
普通、遺伝と言えば容姿が遺伝するとか、性格が遺伝するとか、そういった肉体的・精神的なものを指すことが多い。
だから、「貧困が遺伝する」という言い方が広がっていることに戸惑いを覚える人も多い。貧困とは社会現象だから遺伝とは結びつかない。それなのに遺伝と結びつけられていることに困惑を覚える。
「貧困が遺伝する」という言葉には、2つの意味が含まれている。
- 貧困者の子どもは自動的に貧困の生活になる。
- 貧困者の子どもは「一生」貧困のままで終わる。
ここで重要なのは「一生」の部分だ。貧しい家庭に生まれた子どもが貧しい生活をするのは当たり前の現象だが、問題は彼らが「一生」その世界から抜け出せない可能性が高いことである。
貧困をモノともせず這い上がっていく子どもたちもいる。しかし、貧困の度合いが強ければ強いほど這い上がりが難しくなっていく。なぜ貧困の中で生まれた子どもたちは、そこから抜け出す可能性が低いのか。
ここで重要になってくるのが「教育」である。複雑化し、専門的になった現代社会では、そこで働くためには何にしても一定レベルの教育が必要となる。
教育レベルは高ければ高いほど良い。なぜなら、現代社会が高度な知識・技術・技能を求めているからだ。
また世間では教育があるかどうかを知るため、最初に出身大学や所持資格を見るので、やはりそこでも「教育の履歴」が重要になってくる。
そういった教育を受けるためには本人の資質も重要なのだが、その資質を伸ばすための「教育費」も重要になってくる。