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岸田政権「国民皆歯科検診」が救いたいのは増えすぎた歯医者さんか、国民の健康か=原彰宏

「骨太の方針2022」

岸田政権が掲げる日本の将来ビジョンですが、5月31日に経済財政諮問会議から原案が示され、6月7日に「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)が閣議決定されました。

「人への投資」や「グリーントランスフォーメーションへの投資」などへ中長期的・計画的な財政支出を行う旨が明記され、政府部門が先導し、官民一体での投資促進を図るとしています。

専門家によれば、米欧でも志向されている「大きな政府」の世界潮流へ、日本も舵を切ると見られています。

骨太方針は「これまでの財政健全化目標に取り組む」としており、政府の掲げてきた2025年度の基礎的財政収支黒字化目標は生きている形になっていて、これが、参議院選挙後に、岸田政権は増税するのではという思惑に繋がるようです。

経済優先と財政再建、ある意味バッティングする2つの政策を同時に掲げることになりますが、やはり経済立て直しが迫られている課題であるでしょうから、財政再建目標は直近では動けないという見方もあります。

増税は景気の足を引っ張ることは、間違いないですからね。

「骨太の方針2022」の資料(PDFファイル)は以下のページで見ることができます。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/2022_basicpolicies_ja.pdf

資料は「第1章」から「第5章」からなっていて、具体策は以下にあります。

第2章 新しい資本主義に向けた改革
第3章 内外の環境変化への対応
第4章 中長期の経済財政運営

今回のテーマである「国民皆歯科健診」は「第4章 2,持続可能な社会保障制度の構築」の中に書かれていて、この項目の最後の段落で下記のように書かれています。

全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療職間・医科歯科連携を始めとする関係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する――

出典:経済財政運営と改革の基本方針2022 について(PDFファイル)- 内閣府

ずいぶん、歯科領域の説明が充実していますね。

「骨太の方針2022」の内容検証は、いろんなメディアでも行われていて、上記のPDFを読んでご理解いただければと思います。ここでは、他のメディアでは取り上げない視点で、この「全国皆歯科健診」について検証したいと思います。

Next: コンビニより多い「歯医者さん」、皆歯科検診が実現すれば経営安定?

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