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ダイナムジャパンHD Research Memo(5):遊技機購入等の資金需要を目的に有利子負債増加も自己資本比率は上昇

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■2022年3月期の業績状況

2. ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の財政状態
2022年3月期末の資産合計は前期末比7,652百万円減少の293,421百万円となった。主な増減要因を見ると、現金及び預金は遊技機を中心とした固定資産の取得や未払税金の納付等により同18,153百万円減少の56,508百万円となった。また、使用権資産が3,687百万円、繰延税金資産が2,448百万円、保有株式が1,150百万円それぞれ減少した一方で、遊技機の固定資産計上により28,958百万円の増加要因となった。

負債合計は前期末比6,662百万円減少の162,439百万円となった。遊技機購入等の資金需要に対応するため金融機関からの借入を実施し、有利子負債が9,174百万円増加したが、未払法人所得税等が5,371百万円減少したほか、仕入債務及びその他の債務が7,685百万円、リース負債が2,677百万円それぞれ減少した。

資本合計は前期末比990百万円減少の130,982百万円となった。当期利益4,997百万円を計上し、配当金の支払い3,261百万円を行ったことで利益剰余金が1,736百万円増加した。一方で、自己株取得を実施したことにより資本剰余金が3,152百万円減少した。2022年3月期は自己株式を30,135,800株(発行済み株式数の約4.0%)取得し、うち29,838,400株を消却、期末時点の保有自己株式は297,400株となった。

自己資本比率は負債の減少を主因として、前期末の43.8%から44.6%と若干ながら上昇した。ただ、ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)の水準は前期末比で27,327百万円減少の13,367百万円と減少傾向にあり、財務内容としてはまだ回復局面には入っていない。2022年3月期に新規則機の入替に伴い遊技機の購入額が大きく増加したことが要因だ。実際、営業活動によるキャッシュ・フローで32,719百万円の収入だったのに対して、投資活動によるキャッシュ・フローは43,010百万円の支出となっており、フリー・キャッシュ・フローでは10,291百万円のマイナスとなっている。ただ、2023年3月期は遊技機の購入台数が減少する見通しであることから、営業収入が順調に推移すればネットキャッシュの状況も改善に向かうものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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