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楽天、モバイル事業を辞めれば株価3倍も?年間4000億円の赤字垂れ流し、株主が期待するのは早期撤退だけ=栫井駿介

楽天モバイルを使うメリットがあるのはヘビーユーザーだけ。楽天にとっては…

さらに悪いことを言うと、料金比較でお示しした通り、どういったユーザーにとってお得なのかというと、20GB以上使うユーザーに対して非常にお得なのです。

いくら使っても100Gだろうが200Gだろうが、いくら使っても3278円ということになります。

実は過去にも落とし穴があって例えば、UQ_WiMAXの例があげられます。あれも使い放題だったんですが、使い放題にした結果、どういうユーザーが残ったかというと、常時通信を使っている、ギガをたくさん消費しているような人がヘビーユーザーとして残ったのです。

すると何が起きるか?回線を圧迫するのです。

そして回線を圧迫すると、そういう人たちはずっと使い続けているので、そこからたまに楽天を使おうとする人の回線の速度が、もう使える余地がなくなってしまって、回線が遅くなってしまうのです。

となると、そのヘビーユーザーが残れば残るほど回線が遅くなり、新たなユーザーが入る余地をなくし、満足度を下げてしまう。

そういった状況に陥りかねないんではないか?と考えています。

それを解消するためには、やはり設備投資が必要になるんですが、となると今度はコストがかかってしまうという、まさにもう板挟みも甚だしい状況になってくるわけです。

この年間数千億円というコスト、これも設備投資だけを見たときにこれだけですから、他の運営費用を考えたらもっと増えるということが考えられます。

それに対して、モバイルの売り上げがどうなるのかというと、今現時点で楽天モバイルのARPU、ARPUというのは、1人当たりの売上高。(言い換えると)1人が1回線でどれだけこの楽天モバイル、あるいはその各社にお金を落としたのかっていうことです。

楽天の(ARPUの)平均が今およそ1,000円。これをようやく超えてくるとこが見えると言っています。

赤字は今後も増える一方

いま回線が546万件ですから、年間収益はおよそ655億円という数字が出てくるわけです。数千億円の投資が必要なのに対して売り上げが650億円しか立たないということですから、単純な引き算の問題でどう考えても赤字です。

これを黒字に持ってくるためには、例えばこのARPUが1,000円のままだとすると、回線契約としては2,500万から3,000万回線ぐらいは必要になってきます。

ここからさらに相当数増やしていかなければならないということですが、先ほど書きました通り、いま無料プランが終了して回線数減ってしまいました。

いま500万回線しかないですが、それをこれからさらに2,000万~3,000万に増やしていこうって、実は相当大変なことであることは確かです。

まして、もうみんな1人1台は携帯持ってる状況で、あえて楽天に移る動機ってどこまであるのかな?と思います。

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