fbpx

楽天、モバイル事業を辞めれば株価3倍も?年間4000億円の赤字垂れ流し、株主が期待するのは早期撤退だけ=栫井駿介

格安プラン比較

03-4.jpg

(楽天モバイルの)0円プランが終了した後の、他社との比較についても見ていきたい思います。

格安プランの比較表です。大手がやっているソフトバンクのLINEMO、そしてドコモのahamo、そしてKDDIのpovo2.0と楽天モバイルを比較しています。

このように楽天モバイルは今まで0ギガ、そして1ギガまでは0円だったんですけれども、これが廃止されて3ギガまで1,078円ということになってます。

比較していただければわかるのですが、実はこの3Gまでですと、若干ではあるのですが、LINEMOの990円、povo2.0の990円の方が安くなるわけです。

従って、この0ギガから3ギガというライトなあまり携帯を使わないユーザーにとっては、そもそも楽天に入っている意味は、あまりないわけです。

今まで0円だからということで、楽天をサブで使っている人も多かったと思うのですが、0円じゃないサブ(楽天モバイル)に1,078円も払って入る意味は多分ないでしょう。ゆえにこれによって解約が進むということが考えられるわけです。

それ以上はどうなのかというと、例えば3ギガから20ギガというところを見てください。
LINEMOが2,728円、ahamoが2,970円、povo2.0が2,700円に対して、楽天モバイル2,178円になります。

実はこの3ギガから20ギガというところであれば、楽天モバイルがお得になります。さらに言うと、この20ギガ以上だったら、実は3,278円で使い放題ということになってくるのです。

つまりここから先のヘビーユーザーにとっては、実は楽天モバイルまだ使う価値があるということになってきます。とはいえ重要なのは、ギガの料金だけではないと思います。

最初の選択肢として持つためには、やはり繋がらないと話にならないわけです。この繋がりやすさを担保するために、当然各社は設備として、基地局に投資をしなければならないわけです。

携帯電話事業の損益分岐点

04-4.jpg

こちらのスライドでは、損益分岐点と書きました。

最低限、安定的に電波を供給できるために、どれだけの設備投資が必要になるのかということを、各社と比較していきます。

過去10年の設備投資の平均額を見てみましょう。

例えばドコモでは、1年当たり6,200億円の設備投資を行っています。KDDIで5,500億円、ソフトバンクで4,000億円というところになってますが、楽天は2,500億円です。

楽天はゼロから作ってきてこの数字ということになるので、一概に並べて見るものではないのですが、上位3社を見ますと、やはり安定的に電波を供給するためには、年間で数千億円単位の投資は、普通に考えたら必要になるであろうというところです。

楽天としては、決算説明会などでは、ある程度の基地局は整備終わって、「今人口カバー率97%となっていて、これから設備投資は減っていきます」ということも言っています。

しかし当然これからユーザーも増えていくので、人口カバー率97%といっても、それはあまり意味のない数字です。例えば、あまり人の行かない、人の住んでいない観光地とかに行って、電波繋がらなかったらやっぱり困ってしまいます。

また地域ではカバーしてるかもしれないですが、建物の中にいたときに繋がりにくいというようなこともあります。そうなってくると、やっぱり意味がないわけなんです。

実際、楽天は繋がりにくいという話はよく聞こえてきます。だからここで設備投資を減らすというのは、それはユーザーの不満を高めるということになって、楽天を1番目の選択肢に持ってくるということが、なかなかできなくなってくるわけです。

楽天は、今後さらに2つの意味での「ゆうりょう」を連れてくる必要があります。

お金を払ってくれるユーザー(有料)そして良いお客さん(優良)を連れてくるためには、やはりこの設備投資を小さくしたままというのは、(普通に考えたら)考えにくいです。

Next: 楽天を使うメリットがあるのはヘビーユーザーだけ。すると回線は…

1 2 3 4 5 6 7
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー