ひきこもりの子どもを抱えた高齢者は悲惨な話になっていく
本来は子どもが親を養うべきなのに、親がいつまでも自立しない子どもを養い続けるのだから悲惨な話である。年金は当人がひとり暮らすだけでもギリギリか、もしくはまった足りない額である。
年金受給者がいかに苦しいことになっているのかは、マネーボイスのこちらの記事にも取り上げた。
ひきこもりの子どもを抱えた高齢者は、自分だけでなく子どもも不十分な年金で養う必要があるわけで、まさに極貧一直線である。
なぜ「50代のひきこもり」は61万3,000人にも増殖したのか
それにしても、「50代のひきこもり」はいったいなぜ、61万3,000人も増殖してしまったのか。
彼らのほとんどは20代からひきこもって、それが長期化していよいよ50代に到達してしまったというのが現状だ。
そうであれば、なぜ彼らは20代でなぜ仕事に就かなかったのか。
それは「時代が生み出した」と考える社会学者も多い。彼らの20代と言えば、1990年代である。1990年代と言えば「バブル崩壊」で日本社会が阿鼻叫喚の地獄に落ちていた時代だ。
1985年以後の高騰する土地を見て、多くの企業が不動産取引に殺到して莫大なカネを借りて土地を買い漁ったり、土地転がしをしたり、自社ビルを建てたりしたのだが、バブルが崩壊すると土地の価値が収縮し、企業は大損失を被ることになった。
生き残りのために企業は求人を絞って体力温存を図った。彼らの20代は、バブル崩壊以後の「超氷河期」と呼ばれる時代にぴったりと合致する。
バブルが崩壊して求人が極度に減ったため、どんなに就職活動をしても仕事が見つからない時代に、彼らは仕事を探していたのである。バブルが崩壊し、求人が減り、超氷河期の中で、彼らはもがき続けた。