諸外国との比較
次に、諸外国のスタートアップ投資の状況と比較してみたい。
米国では年間約40兆円という金額がスタートアップに投資されている(2021年数値 National Venture Capital Association調べ)。
中国でも約22兆円のスタートアップ投資が行われている(2021年数値 匠新調べ)。
米国は日本の約40倍、中国は約22倍の規模のスタートアップ投資が行われている現状だ。
2021年のGDP規模をドルベースで比較すると以下となっており、GDP規模の差以上にスタートアップ投資の規模の差があることが分かる。
日本:4,937,422百万ドル
米国:22,997,500百万ドル(日本の4.65倍)
中国:17,458,036百万ドル(日本の3.53倍)
欧州各国と比較してみるとどうだろうか?
2020年の数値であるが、各国のスタートアップ投資額は、
英国:13,936百万ユーロ(約1.74兆円)
ドイツ:5,272百万ユーロ(約6.600億円)
フランス:5,203百万ユーロ(約6,500億円)
※Ernst & Young – Start-up Barometer Europeによる 2020年当時の為替レートである1ユーロ=125円で計算
英国のGDPは3,187,626百万ドルで日本の約65%、ドイツのGDPは4,225,924百万ドルで日本の約86%、フランスのGDPは2,935,488百万ドルで日本の約59%である。
そのことを考えると、これらの欧州各国と比べても、日本のスタートアップ投資額が少ないのが分かる。
近年、大きく伸びているのはインドである。2021年の数値で12,100百万ドル(2021年当時の為替レートである1ドル=115円で計算して約1.4兆円)となっており、インドはすでに世界第3位のスタートアップ投資大国となっている。
日本はユニコーン社数も少ない
ユニコーンと呼ばれる、時価総額10億ドル以上のメガベンチャーが少ないのも、日本のスタートアップの大きな課題となっている。
CB Insightsの調査では、2022年時点での各地域別のユニコーン社数は以下のとおりである。
米国:554社
中国:180社
欧州:139社
アジア・太平洋:141社
日本はアジア・太平洋に含まれるが、日本企業のユニコーンは10社しかない状況である。
ちなみに時価総額100億ドル以上のスタートアップをデカコーンと言い、世界に47社あるが、日本の企業はゼロである。