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信者爆死で焼け野原。ダブル・スコープの3日連続ストップ安で個人投資家が恨む“機関”という名の都市伝説=Team xoxo

ダブル・スコープ祭りの後

簡単に想像できると思うがTwitterではかなりの被害が出ていることが報告されている。

ここにざっとその被害をリストアップしてみる

1)株価急落により信用取引で追証が発生

2)信用取引担保にダブル・スコープ株を使っていたため(2階建て)追証発生

3)追証が入れられず借金

4)追証回避のため他の保有株投げ売り

5)追証がいくらかわからない

上げればキリがないが、基本的には信用取引を利用して、株式を購入していた投資家からの悲痛な声だ。

過去にも同じように個人投資家に人気な銘柄が急落した事例はある。

以前はストップ安が3日連続した翌日は、制限値幅が拡大されるというルールがなかったため、20日連続ストップ安した光通信<9435>は有名だ。

株式投資は自己責任だということを考えると、投資家は常にこのような事態が起きる可能性があることを認識してリスク管理をしなくてはならない。

とかくこのような急落を演じる株式は、何かしら人気を集める材料があり、目先のバリュエーションはほとんど無視され、非常に割高に買われていることが多い。

同社株もそうであったことを考えると、何かが想定と違うとき、フローの逆回転が起きる可能性は十分にあったはずだ。

しかしダブル・スコープ信者とも言える個人投資家が支える同社株には、冷静に株価を見られない投資家層が一定数いたため、買いが買いを呼び、保有株の増加と含み益のスクリーンショットをTwitterに投稿することで自己アピールすることこそ、新たなフォロワーを生み、有名人になれる手段となっていた。

そんなダブル・スコープ祭りの後に、何か今後に生かせることはないだろうかと考えてみたくなった。

信用取引の是非

まず思ったのは信用取引の是非である。

よく考えてみると、僕が某証券会社で個人営業をやっていた時の信用取引は、預かり資産が2,000万円以上の投資経験が10年以上ある顧客と決まっていた。預かり資産だけでなく、適合性の原則に沿う顧客のみが、取引可能な取引手法だった。

もちろん時代が変わり、今は個人投資家の受け皿はオンライン証券に変わった。

口座開設時に何の躊躇もなく信用取引口座開設を選ぶことができ、読むか読まないかわからない注意事項のオンライン上の同意ボタンをクリックして、数日の審査ののち信用取引が開始できる。

注意事項には信用取引とは何かだとか、株式下落時のリスクは書かれているだろう。

今は非常に便利で、アプリ上で担保計算してくれるので、維持率などリアルタイムで確認できるだろうし、追証発生リスクに関するアラート機能もあるはずだ。

つまり現物取引だろうが信用取引だろうが全く同じようなもの、非常に敷居が低いものになっているのではなかろうか?

限られた資産の中で2階建て信用取引をすれば、思惑が外れれば大きな損失につながることは間違いない。

それでもそういう投資家が存在したということは、やはり信用取引の利便性だけを理解している投資家が多かったのではないだろうか?

信用取引はいつの時代も証券会社から借金をして株を取引する手法。

株式は博打とは言いたくないが、借金して競馬に行く人と考え方はあまり変わらない。

そんな風にとらえている個人投資家はどれくらいいるのだろうか?

ただ考え方を変えると証券会社に一部の責任があるかもしれない。

証券会社にとって、手数料と合わせて信用取引に付随する金利や貸株料でも稼げると、割が良い。それ故、素人信用取引客を増やすことを容認しているのではないか?

貯蓄から投資、個人投資家を増やそうという世の中の流れがあり、その中に信用取引客の増加があるならば、東証や金融庁がリードして、もう少し信用取引客の敷居を高くしても良いのではないか?

例えば信用取引開始する際は、最低限の知識を有していることを証明する簡単なチェックシートに答えることを義務化しても良いと思う。

それくらい今回のダブル・スコープ下落を受けて、個人投資家の信用取引のリスクに対する認識は低いと感じた。

Next: 「“機関”が個人を焼きに来た」。謎の“機関”悪玉論

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