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「ゼロコロナ反対」若年層のデモは習近平に効果ばつぐん、追い詰められて“台湾侵攻”決行へ=勝又壽良

中国全土で、若者が街頭へ繰り出して「ゼロコロナ反対」のデモを行いました。自然発生的で特定リーダーもいなかった様子。それだけ、堰を切ったように不満と不安を街頭で訴えたかったのでしょう。腕力で抑え込む「鉄の管理社会」中国が、市民の不満を事前に察知できなかったのは、経済面や精神面に渡る問題で対応が無力という限界でしょう。共産党に「永続性」の保証はありません。(『 勝又壽良の経済時評 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)

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※本記事は有料メルマガ『勝又壽良の経済時評』2022年12月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。

中国国民の不満が爆発。自然発生的に起きた「ゼロコロナ反抗」運動

習近平氏は、10月に開催された第20回中国共産党大会で、ゼロコロナを「正しい」政策と位置づけ、習氏の政治的実績の1つとして報告した。

それから、およそ1ヶ月後に北京や上海など全土で、自然発生的に「ゼロコロナ反抗」運動が起こった。習氏が、政権を握って以来10年間で初めてである。

厳しい監視体制を敷いている中での抗議行動である。街頭に繰り出し気勢を上げた学生たちは、組織化されておらず、1人の中心人物に率いられているわけでもなかった。これまで3年間にわたるロックダウン(都市封鎖)への怒りをぶちまけたものである。

ただ、シュプレヒコールの中には「習近平辞めろ」とか「共産党は要らない」のほかに、「3年間も仕事がない」など切実なものもあった。国民の不満が、溜まっていたのである。

ゼロコロナの矛楯露呈

習氏は国家主席3期目に入って、習氏の権力が一層高まった形である。

だが、その権力基盤が今回の抗議行動で露わになったように、もろい側面を抱えていることを見せつけた。習氏は、最高指導部メンバー全員を取り巻き連中で固めたが、習氏の耳に痛いことを言う人物のいない弱点をもろに見せつけたのだ。

大半の国民が、いかにゼロコロナ政策に苦しんでいるか。習氏は、その実態を掴めなかったのである。政治家として、最大の失敗である。

習氏は、今回の反抗運動で大きな岐路に立たされている。

1. 十分な医療準備が整わないうちに、ゼロコロナ政策を転換すれば、感染者や死者が急拡大し、医療システムがひっ迫して収拾困難な状況になりかねないこと

2. ゼロコロナ政策を強行すると、市民の反発がさらに強まり、経済成長も失速する恐れがあること

以上のような矛楯を抱えているわけで、習氏はどのような選択をするのか。いずれの選択をしても、中国が大きな難題に直面することは明らかである。

そこで妥協策が浮上する。「目先の緩和策」によって、国民の不満を逸らすことだ。現に、その方向へ歩み始めている。

Next: 国民が猛反発。中国製ワクチンにこだわって「ゼロコロナ」継続

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