ダメな日本株の特徴
最後にダメな日本株の特徴です。
これは今回、一所懸命・顧客志向・強い経営者と三つ挙げたんですが、その反対です。
総花経営・内向き志向・多数決経営です。
<総花経営>
これは一所、一つのところに集中するのではなくて、あれもこれも手を出して「これは効率が悪いからやめる」とかそういうことすらしない。
それは、例えば事業部がいくつかあって、この事業部はやめると、そこに働いている人、トップの人を切り捨てることになるからできない、みたいな話になってどんどん効率が落ちていくのです。
<内向き志向>
会社として顧客を見ているのではなくて、例えば事業部。
あっちの事業部を立てると、こっちの事業部が立たないからどっちも立てる、みたいなものだったり。
最悪なのは社内政治みたいな話です。
内向き志向になってる会社は、やはり厳しいと思います。
あるいは1人の強いリーダーというのが、やはり方向性を決めるには重要なのです。
<多数決経営>
一方でそんな中で多数決だったり、いわゆるサラリーマン経営者がやってるところは、なかなか前に進みにくいのではないか?というところがあるわけです。
代表的なのは会社です。
会社も多分全部ひっくるめてやってると思いますし、また今日話した半導体の分野でも今、いろんな会社が予定集まって、政府主導で最高の半導体を作りましょうみたいなことを言っています。
しかしこれがそもそも日本が苦手とする最終製品のところだったりします。
あるいはいろんな会社が集まってますから、船頭多くして船山に登る、というような話もあります。
今結論を言うわけにはいかないのですが、うまくいかないやり方の代名詞ではないかと思っています。
かつてエルピーダ、日本政府主導でできたのですが倒産してしまった。
というように同じ轍を踏まないことを願うばかりです。
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2022年12月08日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。