移動の危機
買い物や通院などでも人口の少ない地方から不都合が起こります。
バスも廃止、店舗も閉店、患者が減って病院も都市部に移転など、通販で買えるモノ以外は不便になっていく。心筋梗塞や脳梗塞などで突然倒れても、救急車が来るまで時間がかかり手遅れになるリスクもある。要介護になっても施設は遠く、見知らぬ土地での生活を余儀なくされる。
ただし移動の問題だけなら今後普及が進むであろう自動運転車で解決できますし、いずれは運転免許を持たない子どもたちでも乗れるようになるでしょう。
しかしそうなるまでは時間がかかり、少子化で学校の統廃合が進めば、自転車で片道1時間の学校に通う子どもたちが増加しそうです。
とはいえ、このあたりは過疎地域や地方のポツンと一軒家ではなく、都市部や近郊の住宅地に住むことで回避できます。
私自身も都心から電車で20分ぐらいの住宅街に住んでおり、市の人口のピークは2030年という予想ですが、とりあえず自分が生きている間ぐらいはなんとかなりそうです。
なぜなら新興住宅地ゆえに近隣住民は同じような年齢層・家族構成の人が多く、当面はインフラの維持を投げ出すことはないだろうと考えられるからです(逆に一気に高齢化するリスクがあるのですが)。
それよりも少子化の多くの問題は「担い手がいない」ことで起こると思います。たとえば、次のようなことです。
警察官のなり手がいない
犯罪発生時に捜査の手が回らないとしたらこれはコワいです。
捜査機能のみならず、巡回やパトロール、職務質問といった防犯機能も下がってしまえば、犯罪が増加して治安が悪化する可能性があります。
最近も、組織化された犯罪集団が首都圏の戸建てや店舗事務所を狙って空き巣に入るというニュースがありましたが、警察の人員不足は十分に市民を守れなくなる恐れがあります。
そして夜間にひとりで出歩くことが危険な地域が増えてくる。
犯罪防止は自助努力だけでは限界があり、通り魔、ひき逃げ、暴行、ひったくり、車上荒らし、自転車盗難などなど必ずしも自分では防げないこともあり、警察の人員不足はかなり恐ろしいことです。
自衛官の不足
そしてこれは警察だけではありません。政府は防衛力強化に舵を切り、そのために増税するようですが、少子化は自衛隊に入る人も減ることを意味します。
尖閣諸島近辺を守る自衛隊も、スクランブル発進が増えて隊員の疲弊が大きいそうで、なり手がいなければ50代・60代のパイロットが飛び回らないといけなくなる。
戦闘機買いましたが乗る人がいません!
ミサイル買いましたがオペレーターがいません!
戦闘が勃発しましたが装備弾薬の製造補給が追いつきません!
交代要員がおらず疲労で前線が維持できません!
こんなのでは脅威と戦えない。いずれは尖閣諸島も飲み込まれてしまう。かといって日本で徴兵制度の復活はまずあり得ないでしょう。それをやったら人材流出で破滅まっしぐらでは?私でも日本を捨てますよ。
要するに少子化対策は防衛強化以前の問題のはず。兵器のようにお金を出せばポンと買えるものと違い、子どもが戦力になるまで20年~30年かかるので、優先順位を間違えてはいけないと思うのですが。。