内閣府の調査で、15歳から64歳までの約2%にあたる推計146万人がひきこもりの状態になっているというのが分かった。以前は推定100万人であると言われていたが、146万人に増加した。いつまで経っても自立できない子どもは、親を精神的にも経済的にも消耗させている。親から自立ができない人生は、自分の人生とは言えない。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
中高年の引きこもりも増加。もはやコントロール不能に
内閣府は、2022年に「ひきこもり」の実態を把握するために調査を行ったのだが、この調査結果が2023年3月に発表された。その結果、15歳から64歳までの年齢層の約2%にあたる推計146万人がひきこもりの状態になっているというのが分かった。
以前までひきこもりは推定100万人であると言われていた。それが146万人に増加したのは、コロナ禍に要因があることを内閣府は調査結果としてあげている。
すでに世の中はコロナ禍から脱却しているのだが、自粛(ステイホーム)を機にひきこもりになってしまった人が生まれてしまった。確かに、ひきこもりが増えるというのは予測はされていたが、146万人に激増していたというのは衝撃的ではある。
憂慮すべきは若年層のひきこもりと共に、40歳から64歳の中高年層のひきこもりも増えていることだ。彼らがいったんひきこもりになると、社会に復帰するのは若年層よりも難しい。
気力や体力が極度に衰えるというのもあるのだが、長らくひきこもりをしていた中高年層を雇う会社もほぼ皆無になってしまうからだ。その結果、彼らは社会復帰が絶望的になり、老いた親の家で親の年金で生きることになる。
80代の親が50代のひきこもりの子どもを養う。これを「8050問題」と呼ぶが、ますますコロナ禍を経た今の日本ではますます深刻化しているということだ。
「8050問題」とは80代の親が50代の引きこもりの子どもの面倒を見続けて、経済的にも精神的にも限界に達してしまう問題を指すのだが、日本のどん底ではこの「8050問題」が止まらない。引きこもった子どもが、もはやコントロール不能になっている。
すべての動物は親から自立する運命
この問題の深刻なところは、長らく引きこもった子どもはどんなに親や行政の支援があっても「なかなか自立することができない」ことにある。これは、実はとても危険なことである。
人間は自分の力で生きる能力を持たないと、自分の人生を生きることができない。自立できない子どもは親に依存したまま何もできないで死ぬ。
これは、個人だけでなく、親も、社会も、不幸を抱える現象である。
人間は社会に頼って生きている「社会的な動物」なので、完全に他人や社会から自立するというのは、実はとても難しい。人間は知らずして、社会のいろんなところに依存しながら生きている。
しかし、それでも人間は自立を目指す。最低でも、親から独立することを目指す。これは人間だけではなく、動物も同じだ。すべての動物は「親から自立しなければならない運命」にある。