30代前半の関西の未婚女性から、住居の購入時期についての相談がありました。「結婚を決めている彼がいるのですが、義両親から新居購入を勧められています。家賃はもったいないし早く買いたいと思う反面、早急な新居購入が不安。どう思います?」とのこと。まずは基本ですが、金銭的なメリットは意外と小さい。家賃がもったいないだけなら考えものです。(『 婚活FP山本の実例分析書 〜運命の出会い、その先を見据えて〜 婚活FP山本の実例分析書 〜運命の出会い、その先を見据えて〜 』山本昌義)
山本FPオフィス代表、CFP。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に山本FPオフィスを設立。現在は「婚活FP」を名乗り、婚活パーティ等を企画しながら婚活中の方、あるいは結婚直後の方など比較的若年層の精神面・経済面双方の相談業務をメインにこなす。中立性の確保の点から、一切の商品・代理店は扱っていない。
「結婚直後の新居購入が不安、どう思います?」
婚活ファイナンシャル・プランナーとして活動する私のもとに、30代前半の関西の未婚女性から、住居の購入時期についての相談がありました。
「結婚を決めている彼がいるのですが、義両親から新居購入を勧められています。家賃はもったいないし早く買いたいと思う反面、早急な新居購入が不安。どう思います?」という内容です。
当人は年収300万円、彼は年収600万円で当人の実家近くでの購入を検討中とのこと。相応に双方の両親から援助も期待できるが、何となく早急な購入が不安だそうです。なお、購入に関わらず共働き前提とのこと。
ようは結婚と同時に新居購入ですね。およそ2~4割の新婚夫婦が購入してますが、冷静にメリット・デメリットを考えましょう。
「金銭的なメリットは意外と小さい」
さて、まずは基本ですが「金銭的なメリットは意外と小さい」。家賃がもったいないだけなら考えものです。
家賃はもったいない……は、よく聞くものの購入に明白な金銭メリットは特にありません。
住宅ローン完済後は家賃不要になるものの、代わりにその頃には大規模リフォームが必要。マンションなら修繕積立金が必要です。
強いて言えばローン減税はありますが、これは基本的にローンの利子が浮くだけ。両親からの援助も得といえば得かもですが、その分、相続財産が減るだけともいえます。
値上がりが期待できる地域なら例外ですが、基本的に不動産は経年劣化がありますし、住宅ローンを上回る売却などなかなかできません。第一、そのような地域は価格も高額です。
戸建てなら最終的に土地の分だけ得ですが、代わりに固定資産税が付きまといます。
つまり、買った方が得という明確な根拠はありません。まずは落ち着いて金銭比較してみましょう。
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