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なぜ米国債格下げで日本株が下落?ここからの動きを読む方法と長期投資家が今やるべきこと=栫井駿介

先行きは?ファンダメンタルズを分析

マーケットは上がったり下がったりを繰り返すのが常ですが、問題はその先で、一度下がると今度は上昇のエネルギーが溜まってきます。

下がったから買いたいという投資家もやはり存在します。

下がった後に再び勢いづくかどうかのカギを握るのがファンダメンタルズです。

経済や業績が上振れるか下振れるかにかかってきます。

だからこそアメリカの経済指標などを細かく見ようとしているわけです。

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今の状況をこの相場循環図に当てはめると、③逆金融相場と④逆業績相場の間にあると考えています。

逆金融相場とは金利が上昇して株価が下落する局面で、2021年から2022年にかけて起きたと見ています。

この後重要になるのが業績で、これが良くなるか悪くなるかによって株価が上がるか下がるかが決まるのですが、流れとしては、コロナ禍で一時悪くなりましたがその後むしろ勢いづいて非常に景気が良かった局面が続いていました。

しかし景気は巡るものなので今度は悪くなるのではないかということが懸念されていて、それがメインシナリオとなっています。

長期金利が短期金利よりも低くなる「逆イールド」が起こっていて、その後には景気後退が訪れると言われていますが、一方で米国経済は実際の指標などを見ると、好調な個人消費に支えられて景気自体はソフトランディングするのではないかとも見られています。

もしそれが本当なら、相場循環図で言う逆業績相場がそこまで下がらずに次の金融相場(金利が下がり株価が上がる)に入るという見方もあるわけです。

一方で製造業の業績は明らかに良くないということが懸念としてあります。

目下、日本企業の第一四半期の決算が出ているところですが、特に私が見ている限りでは製造業は良くないです。

半導体や自転車関連の企業はコロナ禍で好調だったその反動減が出ているところがあります。

逆に自動車は半導体不足が解消してきて出荷できるようになり業績が良いということもありますが、全体の流れとしてはやはりマイナス方向になっています。

製造業は景気が悪くなると生産をストップするので、その後の流れが悪くなってやがて人々の給料にも影響が出てきます。

「製造が減る」というのは最初に起こる事象なのです。

その“先行指標”である製造業が良くないというのが私の見方です。

個人消費が好調という話もありますが、それはやはり“遅行指標”であって、人々の懐に影響してくるまでには時間がかかります。

オーソドックスな流れとしては、先行指標である製造業が悪いことがやがて個人消費にも影響してくるというものです。

世界を見渡すと、中国経済は明確に悪いです。

特に不動産価格が下落したことでこれまでウハウハだった富裕層が急に財布の紐を締めました。

嗜好品や少し高級なものが売れにくくなっていて、中国が“日本化”してきているところがあるのではないかと感じています。

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