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ゼロ金利政策は本当に日本経済を救ったか?大量に生まれた生産性の低いゾンビ企業たち=田中徹郎

日銀がマイナス金利を導入したのは2016年ですが、すでにそれ以前の1999年からゼロ金利状態は続いています。これは日本経済の弱さと裏腹で、弱い経済をゼロ金利によって持ち上げようとした結果です。1年やっても効果がでず、次の年もやってみた、それでも効果がないのでまたやった……。経済理論的には正しいはずなので、やめるにやめられない、そしてそうこうしているうちに24年です。果たしてこの政策は、日本経済をよくしたのでしょうか。(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)

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プロフィール:田中徹郎(たなか てつろう)
株式会社銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。

ゼロ金利政策は日本経済をよくしたのか?

昔こんなお話を読みました。

ある日エンドウ豆の3兄弟が、縁側においてあったザルからこぼれ落ち、そのままコロコロと縁の下に転がりました。

縁の下でその3人はこんな話をしたそうです。

「僕たちはなんてついてるんだろう、兄さん、こんなあったかいとこで過ごせてよかったね、あのままザルの中にいたら、寒い寒い畑に植えられて、いまごろきっとこごえていたろうね」

それから3か月が経ちました。

畑に植えられたザルの中のエンドウ豆は、さんさんと輝く陽の光を受け、日に日に暖かくなる畑のなかででスクスクと育っていきました。

でも縁の下の3兄弟はどうなったでしょう。

陽が当たらず、冷たい縁の下でひょろひょろと伸び切り、そして3人そろって枯れてしまいました。

これは僕が(たしか)小学1年生か2年生だったとろ、国語の教科書で読んだお話しの一節です、内容は少し違っているかもですが、まあこんな感じだったと思います。

今でも覚えているのが不思議ですが、僕はこのところよくこのお話を思い出します。

日銀がマイナス金利を導入したのは2016年ですが、すでにそれ以前の1999年からゼロ金利状態は続いています。

これは日本経済の弱さと裏腹で、弱い経済をゼロ金利によって持ち上げようとした結果です。

1年やっても効果がでず、次の年もやってみた、それでも効果がないのでまたやった……。

経済理論的には正しいはずなので、やめるにやめられない、そしてそうこうしているうちに24年です。

果たしてこの政策は、日本経済をよくしたのでしょうか。

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